「住所録」から「顧客管理システム」を作る--使いながらデータベースを改修 - (page 3)

伊達諒

2021-08-18 07:00

(4)レイアウトの調整

 「顧客番号」「生年月日」「性別」「連絡情報」のフィールドが追加できました。これだと見にくいので、レイアウトを調整します。メニューから「表示」→「レイアウトモード」を選択してください。

 表示された画面(図16)では、タイトルが「住所録」になっているので、「顧客管理システム」と変更します。また、フィールドの位置を使いやすいように、「顧客番号」を上部に配置し、「生年月日」と「性別」を氏名の右に配置します。さらに、連絡情報は多くの情報が記録されるので大きくします。

図16 図16
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(5)「生年月日」にカレンダーの追加

 生年月日を入力する際にカレンダーがあった方が入力のミスが少なくなるので、カレンダーを追加してみましょう。「生年月日」欄を選択して、右側パネルの「データ」タブを選択し、「コントロールスタイル」を「編集ボックス」から「ドロップダウンカレンダー」に変更します。そして「カレンダーの表示切り替え用アイコンを表示」にチェックを入れます(図17)。

図17 図17
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(6)「性別」をポップアップメニューに変更

 次に、先ほど作成した「値一覧」を使って、性別欄にポップアップメニューを設定します。レイアウトモードのままで、「性別」欄を選択します。右側パネルの「データ」タブを選択し、「コントロールスタイル」を「編集ボックス」から「ポップアップメニュー」に変更します。「値一覧」の右のプルダウンリストから、「性別一覧」を選択します。「一覧の表示切り替え用矢印を表示」と「値一覧でデータ書式を上書き」がチェックされていることを確認します。メニューから「レイアウト」→「レイアウトの保存」を選択します(図18)。

図18 図18
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(7)ブラウズモードで確認

 メニューから「表示」→「ブラウズモード」を選択します。生年月日の右をクリックするとカレンダーが表示される(図19)ことを確認してください。

図19
図19

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 また、性別がメニューから選べる(図20)ようになっているか確認します。

図20
図20

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(8)データの入力

 追加したフィールドに必要なデータを入力します。 サンプル(図21)のような内容が入力できるでしょうか。

図21 図21
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 これで、顧客管理システムの基本ができあがりました。後は、販売データと紐付けしたり、ボタンを設置したりして、操作性を向上させていけばシステムは完成します。

まとめ

 システムを開発する場合、一般的には綿密な計画を立てて実行されますが、FileMakerの場合、今回作成したように、既存のデータベースを簡単に修正して発展させることができます。

 つまり、まずはシステムを作ってみて、不都合があれば、その部分を改修すればよいという考えで開発をはじめることができます。今のトレンドである、アジャイル開発、インハウス開発、ローコード開発を実践することができます。

 社会状況の変化が早い現代においては、時間をかけずに状況の変化に応じてシステムを改修していくことが重要です。FileMakerは、45日間無料で使える評価版のソフトウェアをダウンロードできますので、本連載を参考にぜひ実践してみてください。

伊達 諒(だて りょう)
日本銀行で金融機関の経営分析、厚生労働省で政策の調査業務、内閣府でSEを経て、フリーライターとなる。MBA、CFP、一級FP技能士の資格も有しており、金融、経済、IT、経営、会計、税、行政と幅広い分野での執筆活動をしている。これまで、大手メディアを中心に、500本以上の記事を執筆している。

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