日本でiPhoneが発売されたのは2008年のことです。まだ10年ちょっとしか経っていませんが、今ではスマートフォンは生活をする上で欠かせないものになっています。アプリなどのスマホを前提としたビジネスも次々と生まれています。「スピードが速く付いていけない」と思っている人も多くいると思いますが、社会は常に変化しており、あきらめてしまっては時代に取り残されてしまいます。ビジネスをやる以上、変化するたびにそれにあわせて行かなければなりません。
前回は、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」と「IT化」の違いやどう対応すればよいのかなどについて解説しましたが、今回は、より具体的にDXの必要性について解説していきたいと思います。
DXの必要性
(1)通信環境の向上とスマホの高機能化
「DX」が注目を集めている理由の一つに、通信環境の向上とスマホの高性能化が挙げられます。スマホ1つで、かつてのPC以上の仕事ができるようになり、場所に固定されない働き方ができるようになったからです。
通信環境も「3G」から「4G」になったことで、動画の視聴ができるようになり、「YouTube」や「Netflix」などの動画配信サイトが普及しました。さらに「5G」も導入され、利用が進めば、今後は、通信をしているという意識すらなくなる位スムーズな処理が可能になります。
配達者や出品者と購入者を結びつけるマッチングサービス「Uber EATS」や「メルカリ」などは、スマホがあるからこそ成立するビジネスです。「デジタルを制する者がビジネスを制する」と言っても過言ではありません。
(2)変革の必要性--エンタメ界の今
社会の変革という意味では、エンターテインメント業界も変わりつつあります。以前は、歌手として世に出るためにはレコード会社やプロダクションなどに採用されることが必要でした。そこではじかれてしまうとデビューすることは極めて難しいものでした。
しかし今は、YouTubeや「TikTok」などで誰でも自由に歌を配信することができます。そこで人気が出れば、プロダクションに所属していなくても、いきなりテレビに出演することもできます。
これも、デジタル社会がもたらす変革のひとつです。プロダクションを介さず自己プロデュースでビジネスをするというやり方です。定着すれば、真の実力者がエンタメ界にどんどん進出してくるようになります。そうすると、従来型のプロダクションは変革をしなければ業務を続けることは難しくなるかもしれません。
(3)“GAFA”の登場--変革はさらに促進
「GAFA」と呼ばれるGoogle、Apple、Facebook、Amazonは、日本でも大きなシェアを持っており、生活する上で無くてはならない存在になっています。例えばAmazonは、日本の小売りに大きな影響を与えています。あらゆる商品がクリックするだけで家に配送されるシステムを構築しており、とても便利だからです。
店舗販売の場合、ある程度立地の良さが求められるため、比較的高い賃料が発生します。さらに、接客のための人件費も発生し、インターネット上で商売をするECサイトに価格で勝つことは難しくなっています。老舗アパレルのレナウンが破産したのも、デジタル化(ネット販売)の遅れと言われています。
このように、かつてなかった脅威がデジタル社会の到来によって、次々と生まれているのです。何もしなければ、デジタルを生かした新しいビジネスモデルに既存事業者は駆逐されてしまいます。そのため、既存事業者はDXすることが必要なのです。