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Facebookがオープンソース化した「Time Appliance Project」--高精度な時刻管理目指す

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-08-18 07:30

 われわれは、時計の時刻合わせを気にすることなどめったにない。そして、米国のバンドであるシカゴも60年代に「Does anyone really know what time it is?」(邦題:いったい現実を把握している者はいるだろうか?)で「Does anyone really know what time it is?Does anyone really care?」(今が何時か本当に知っている人はいるのだろうか?本当に気にかけている人はいるのだろうか?)と歌っていた。しかし技術的な観点で語った場合、われわれはとても気にしているのだ。

Does anyone really know what time it is? Facebook does
提供:Shutterstock

 われわれのテクノロジーは、サーバーとPCを協調させ続けるためのNetwork Time Protocol(NTP)に大きく依存している。NTPがなければバックアップは失敗し、金融取引は大混乱に陥り、基盤ネットワークサービスの多くも機能しなくなるだろう。この種の懸念を解消するために、Facebookはインターネットにおける同社の時間の基準をより正確にする取り組みを2020年に開始した。現在同社は、Time Appliance Project(TAP)というテクノロジーをオープンソース化し、誰でもコモディティーサーバーを信頼性の高いNTPアプライアンスに変えられるようにしている。

 同社は現在、マルチレイヤー型のタイムサーバーアーキテクチャーを使用して時刻を管理している。「Stratum 0」と呼ばれるその最上位層には、衛星測位システム(GNSS)を構成する、高精度の原子時計を搭載した複数の人工衛星が位置している。そして2つ目の層(Stratum 1)には、これらの人工衛星と同期して時間を管理する、Facebook自身の原子時計群が位置している。

 さらにその下の層(Stratum 2)にはStratum 1のデバイスと同期するNTPサーバー群が位置しており、うるう秒に関する処理もこの階層で適用される。最後の階層(Stratum 3)はより大規模なサーバー群で構成されており、Stratum 2との同期によって時刻が管理されるため、このサーバー群ではうるう秒に対する考慮が不要となっている。

 Facebookは、時刻を同期するためのNTPのリファレンス実装として幅広く用いられている「ntpd」に頼るのではなく、NTPの異なる実装である「chrony」と、「Extended NTP」を使用している。正確に述べると、Facebookは米電気電子技術者協会(IEEE)のPrecision Time Protocol(PTP)規格(IEEE 1588-2019)を使用し、データセンターアプリケーションとネットワークインフラのためのPTPプロファイルを作成している。その結果、Facebookにおける基準時間の精度は、一般的に用いられているミリ秒レベルではなく、より正確なマイクロ秒レベルとなっている。

 ここで、「それは誰のためだろうか?」と思うかもしれない。では冒頭で紹介した歌を思い出してもらいたい。時間は本当に気にかけておくべきなのだ。

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