Linus Torvalds氏は、Linuxカーネルが誕生してから30周年を迎えたことに言及する一方で、Linux開発者にはこれからまだたくさんの仕事があると指摘した。
Linuxは、スマートフォンからクラウドコンピューティングに至るまで、あらゆることに極めて大きな影響を与えてきたが、IT業界の外ではLinuxがこんな節目を迎えたことは意識されないだろう。Linuxの生みの親であるTorvalds氏は、日曜に公開した新しい安定版カーネルのリリースノートの中で、Linuxの認知度の低さをネタにした。
「皆さんは今も30周年イベントの派手な催し物で忙しくしているだろうが、きっとどこかのタイミングで、この派手さや花火やシャンペンにも飽きてきているに違いない」と同氏は述べている。「今着ている夜会服や燕尾服も、それほど快適なものではないだろう。お祝いはもう数週間は続くだろうが、皆さんもそろそろ一息つく必要があるはずだ」
Linux 5.14には、Intelの「Alder Lake」のサポート強化や、AMD製GPUのサポートの充実、「Raspberry Pi 400」キーボードのサポート強化などが追加されている。
Torvalds氏はリリースノートで、「5.14が無事リリースされたので、皆さんにはしばらく、新しいカーネルを確認しながら、自分たちが何のお祝いをしていたのか思い出してほしい」と述べている。
Torvalds氏は、1991年にフィンランドで計算機科学を学んでいた時代にLinuxカーネルを生み出した。Linuxカーネルは、今日使われている数々のLinuxベースのOSの中核であり、Windowsのコンポーネントにもなっている。
Linuxはもともと、あらゆるハードウェアで動作するように設計されたものではなく、当時は「Freax」と呼ばれていた。この名前は、Torvalds氏が「Free Unix」を意味するものとして付けたものだったが、この名前は結局使われず、「Linux」という名前が定着した。