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"Linuxの生みの親"トーバルズ氏:「私はもうプログラマーではない」

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-11-01 07:30

 Linuxの生みの親であるLinus Torvalds氏は、もう講演はしていない。フランスのリヨンで開催された「Open Source Summit Europe」で同氏が行ったのは、友人であるVMwareの最高オープンソース責任者Dirk Hohndel氏との対話であり、同氏は以前もこの形式で登壇している。Torvalds氏はこの基調ディスカッションで、自分はもはやプログラマーではないと考えていることを明らかにした。

 では、誰もが「プログラマーの中のプログラマー」だと考えている同氏は今、何をやっているのだろうか。Torvalds氏は次のように説明した。

 もうコーディングは全然やっていない。私がコードを書くのは、ほとんどがメールの中だ。誰かがパッチを送ってくると、私は擬似コードを書いて返す。パッチの修正にはとても慣れているので、最近ではテストもしないままパッチを修正したり、そのパッチを送ったりすることもある。文字通りメールの中でコードを書いて「これはこうすべきだと思う」と書くわけだが、それが私がやっていることで、プログラマーとは言えない。

 Hohndel氏がそれを聞いて「君の仕事は何なんだ?」と尋ねると、Torvalds氏は、「たくさんのメールを読み書きしている。私の仕事は、突き詰めれば『ノー』と言うことだ。誰かが(パッチやプルリクエストに対して)『ノー』と言わなければならない。そして開発者は、何かをやらかしたら『ノー』と言われることを知っていると、コードを書くときにいい仕事をするんだ」と答えた。

 Torvalds氏はさらに、「コードの修正内容があまりにも明らかなので、実際にはメッセージは必要ないこともあるが、そういうことはとてもまれだ」と続けた。また、同氏のチェックに合格するコードを書くには、「そのコードが何をやっており、なぜ修正が必要なのかが分かりやすくすることだ。管理の面からはそれが重要で、もし誰かが私にコードのことを説明できるようなら、私はそのコードも信用する」と述べた。

 つまり、最近のTorvalds氏は開発者ではなくコードの管理者兼メンテナーであり、同氏はそれで構わないという。「私の大きな目標の1つは、パッチが送られてきたら、できるだけ早く返事を返すことだ。できれば、1日か2日でイエスかノーかを言えるようにしたい。マージ作業中は、その1日か2日が1週間に延びることもあるだろうが、メンテナーとして常にその作業に関わりたい」 と同氏は語った。

 コードのメンテナーはそうすべきだ。

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