富士通は、プライベートクラウド型で提供してきた既存の仮想デスクトップサービスに、パブリッククラウド型を追加し、新たに「Fujitsu 仮想デスクトップサービス FJDaaS」として提供を開始した。2024年度までに30万ID、130億円の売り上げを目指す。
新たにサービス提供するパブリッククラウド型の「FJDaaS with Citrix Cloud」(FJDaaS with Citrix Cloud)は、Microsoftの仮想デスクトップ「Azure Virtual Desktop」(AVD)を、仮想環境を管理するCitrix Systemsの管理システム「Citrix Cloud」と組み合わせたもの。
FJDaaS with Citrix Cloud ネットワーク構成
FJDaaS with Citrix Cloudは、「VPN(仮想私設網)をひっ迫させずに仮想デスクトップを利用したい」「Microsoft Azureリソースを有効に活用したい」「利用者やID数、マシン性能をフレキシブルに変えて、必要な分のみ利用したい」などのニーズを有するユーザー向けに開発された。
Citrix Cloudの仮想デスクトップ管理コンポーネントで、ログオン管理や利用者と仮想デスクトップの関連付けなどを行い、Microsoft Azure上で動作する仮想デスクトップを利用できるようにした。Citrix Cloudを用いてマシン性能などの仮想環境スペックをユーザーが柔軟かつ容易に管理できる。
これにより、ユーザー自身で仮想デスクトップのリソースをいつでも自由に変更することが可能なため、利用者数や利用する仮想デスクトップの性能を柔軟に変更することが可能だ。また、Microsoft Azureを利用している既存ユーザーは、そのリソースを活用して仮想デスクトップを利用することが可能で、導入・利用コストの削減と運用負荷の軽減が期待できる。
プライベートクラウド型の「FJDaaS-V」は、「オンプレミスで仮想デスクトップを短期間で導入したい」「仮想デスクトップを小規模で簡単に始めたい」「月額費用は固定にしたい」といったニーズを持つユーザー向けに開発された。
VMwareの「VMware Horizon DaaS」で仮想デスクトップ基盤を構築している。型決めされた仕様により、最短1カ月程度での利用開始が可能だ。また、管理者ポータルによってユーザー自身が仮想デスクトップの管理、運用や性能変更を実施することで、急な業務要件の変更や利用者ニーズに即時対応できる。
さらに同じくプライベートクラウド型の「FJDaaS-C」は、「オンプレミスで仮想デスクトップを導入したい」「システム管理者の負荷を軽減したい」「月額費用は固定にしたい」などのニーズを持つユーザー向けに開発された。こちらは「Citrix Virtual Apps and Desktops」で仮想デスクトップ基盤を構築している。
複雑になりがちな仮想デスクトップの展開や設定変更を、豊富なスキルと経験を持った富士通のエンジニアが実施することで、システム管理の負荷を軽減する。高度なグラフィックス処理を可能とするvGPUなどを利用した、より高性能な仮想デスクトップも利用可能となっている。
販売価格は100IDを購入した場合で、FJDaaS with Citrix Cloudが1ID当たり月額税別7750円から。FJDaaS-Vは同3940円から。FJDaaS-Cは同5000円から。