Google Cloudは米国時間9月16日、2つの新しいストレージ製品と「Google Cloud Storage」サービスの強化を発表した。顧客データの保護やレジリエンスを強化する。
新サービスは、「Filestore Enterprise」と「Backup for Google Kubernetes Engine(GKE)」だ。また、Google Cloud Storageがアップデートされ、ユーザーがデュアルリージョンバケットのリージョンを選択できるようになる。さらに、Cloud Storageで15分間のRecovery Point Objective(RPO)が提供される。
Google Cloudのストレージ担当ゼネラルマネジャーGuru Pangal氏は米ZDNetに対し、「ますます多くのデータがクラウドに移行しているため、われわれはシームレスな可用性と保護を提供する必要がある」と述べた。「これらのことを実現できるのは、当社がグローバルな資産を管理するために使用しているベースとなる技術のおかげだ」(同氏)
Cloud Storageのデュアルリージョンバケットは、Googleのグローバルな分散ファイルシステム「Colossus」と、グローバルな分散データベース「Spanner」の技術を活用している。デュアルバケットリージョンは、リージョンをまたぐ真の単一のネームスペース(もしくはバケット)を提供する。つまり開発者は、大陸を1つのバケットとして扱うことができる。
これまでGoogle Cloudは、ユーザーが選択するデュアルリージョンのペアを割り当てていた。今後のリリースでは、ユーザーが独自にリージョンのペアを選択できるようになる。この新しいオプションにより、ユーザーは独自の要件や使用事例に合わせて、デュアルリージョンバケットを調整できる。例えば、金融会社はニューヨークとシカゴでバケットを作成するかもしれない。この新機能は、Googleがさらなるリージョンを追加すれば、価値も高まるだろう。
また同社は、デュアルリージョンバケットで「Turbo Replication」オプションを用意する。このRPOは、リージョン間で15分以内にデータを100%レプリケーションするというもので、サービスレベル契約(SLA)が適用される。
Filestore Enterpriseは、フルマネージドのファイルストレージサービス「Filestore」に新しく追加される。ファイル共有が必要となるSAPなどのティア1のエンタープライズアプリケーション向けに設計されている。高性能の読み書きに加え、リージョン内の複数ゾーンをまたぐ同期レプリケーションにより、高可用性を実現する。リージョン内の1つのゾーンが利用不可能になっても、運用上介入することはなく、Filestoreがアプリケーションにデータを透過的に送り続ける。
Backup for GKEは、重要なコンテナーベースのデータを容易に保護できるようにするネイティブGKEサービスだ。マネージドKubernetesサービスのGKEは、「当社にとってロケット船」のような存在だとPangal氏は言う。「顧客が幅広く利用しているのは、非常に優れたアプリケーションベロシティを実現するからだ。そして、ますます多くのワークロードが、ステートフルなワークロードになっているのを当社は目にしている」(Pangal氏)
コンテナーでステートフルなアプリケーションを運用する顧客が増える中、そうした顧客のデータを保護することがますます重要になっている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。