Accentureは10月14日、米ソフトウェア企業Parametric Technology Corporation(以下、PTC)の小売企業向けPLM(製品ライフサイクル管理)基盤を活用し、ファッション企業Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)における迅速な製品開発と販売サイクルの実現を支援したと発表した。
Vivienne Westwoodでは、PTCの小売企業向けソリューション「FlexPLM」をベースにした基盤を活用することで、製品開発や調達プロセスの改善と期間短縮が可能となった。製品のデザインと開発に関するデータソースを統合することで、各製品がライフサイクルのどこにあるのかを把握できるようになったほか、デジタルスレッド(製造全工程のデジタル化)によってレディース/メンズのプレタポルテ(高級既製服)、靴、革製品、ジュエリー、アクセサリーなど、複数の製品カテゴリーのデザインと開発状況の可視化も実現した。
社内だけでなくサプライチェーンのパートナー企業との間においても、デザインや生産プロセスに関するやりとりをシームレスかつ安全に行うことができ、より緊密な連携も期待されている。
従来、これらのプロセスは手作業で行われており、エンタープライズアプリケーションにも対応していなかった。例えば、英国のデザインや商品企画の拠点とイタリアの製造拠点が製造用の製品計画書を作成し、主にメールやスプレッドシートでデータを送受信していた。そのため、データの重複入力、海外の提携工場との連携不足、納期の遅れといった問題が発生することもあったという。
(出典:Vivienne Westwood 2021)
Vivienne Westwood CIO(最高情報責任者)のAntony Calabrò氏は、「当社では、試作品、見本、製品に関するプロセスの大半を外注しており、複雑に絡み合ったサプライチェーンを管理しなければならない。PTCのFlexPLMは、サプライチェーンや製品開発に関する機能、直感的で視覚的なユーザーインターフェースを備え、情報セキュリティやシステムの安定性においても優れている。Accentureはファッション業界やPLMに関する豊富な専門知識と実績があり、FlexPLMを迅速に導入することでビジネス価値の早期創出にも貢献してくれた」と語る。
Accenture インダストリーX マネジング・ディレクターのAlberto Codrino氏は、次のように述べる。「われわれは、Vivienne Westwoodにおける仕事の進め方を素早く理解して改善し、プロジェクト領域の変更にも柔軟に対応した。同社のITやビジネスチームと緊密に連携し、PTCチームのサポートのもとデータやデジタルを活用して製品開発を再定義することで、ブランドを迅速に支援した」