北大、研究基盤IRシステムを構築--研究成果の持続的な創出へ

大場みのり (編集部)

2021-10-27 17:21

 北海道大学 技術支援・設備共用コアステーション CoSMOS(以下、CoSMOS)は、研究基盤IRシステムの構築に当たり、ウイングアーク1stのデータ基盤ソリューション「Dr.Sum」とビジネスインテリジェンス(BI)ダッシュボード「MotionBoard」を導入した。ウイングアーク1stが10月27日に発表した。

 IRとは、教育機関において、経営戦略や財務計画の立案に必要なデータを収集・分析し、効果的な経営を支援する活動。研究基盤IRシステムにより同大学は、持続的な研究成果の創出やデータに基づく戦略策定「EBPMマネジメントサイクル」の確立を図る。

 北海道大学では、大学の強みとなる研究領域を把握し、経営戦略の立案に生かすことを目指している。そのため、先端機器の活用実績や論文/被引用数、科学研究費(科研費)など多岐にわたるデータを集約することで全体を把握し、多角的な可視化や分析を行える研究基盤IRシステムの構築を急務としていた。エビデンスに基づく戦略策定に向けて、データを可視化するBIダッシュボードの活用も検討していたが、コンサルティングを含めた効率的な導入が必要だった。

 そこで、導入前のコンサルティングからPoC(概念実証)、システム構築、活用まで一貫してサポートを受けられるウイングアーク1stのDr.SumとMotionBoardを導入した。その他の導入理由には、各先端機器の利用実績を把握できること、担当部署がExcelなどで個別に管理していた論文業績や科研費の情報を集約できることなどが挙げられている。研究基盤IRシステムを中核とした研究環境に関するEBPMマネジメントサイクルの確立は日本でも先駆けで、国立大学としては初めての取り組みだという。

 両製品により、機器利用実績/論文/科研費/登録装置の一覧などが集約されたほか、部門別の収集割合に対して、使用した装置や発表した論文の数などを把握することができる。これにより、今後の研究環境整備に関する予算の戦略的配分など、大学経営の判断がしやすくなると期待される。

 今後CoSMOSは、どの論文がどの研究機器を使用しているかといったパラメーターもDr.Sumに搭載することを予定しているほか、学内のさまざまな基幹システムや周辺システムのデータを収集・蓄積し、より多角的な可視化・分析に向けてデータ整備を進める。さらに、研究基盤IRシステムを活用して精査したエビデンスを基に、設備高度化の投資戦略立案や投資判断を行うことで、持続的な研究成果の創出を目指す。

装置所属をキャンパスマップ上で可視化(出典:ウイングアーク1st)
装置所属をキャンパスマップ上で可視化(出典:ウイングアーク1st)

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