NEC、医療DXに向けて新クラウドサービス--看護師の発話内容をテキスト化

NO BUDGET

2021-11-18 13:20

 NECは、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けて、クラウドサービスの事業を強化し、新サービスを順次提供する。2025年度末までに200施設以上への導入を目指す。具体的には、政府のガイドラインに準拠したクラウド環境により、医療機関を支援するサービスと電子カルテシステムを安全に接続可能な「MegaOak Cloud Gateway」を提供する。

 さらにMegaOak Cloud Gatewayを通じて、医療機関・患者・家族間のオンラインでのコミュニケーションを実現する「MegaOak Telehealth」、院外からの問診情報入力を可能にする「MegaOak Template for 問診」、音声認識を活用して医療機関での事務業務の効率化を実現する「MegaOak Voice Assist」を提供する。

 MegaOak Cloud Gatewayは、3省2ガイドラインに準拠したクラウド環境と接続における認証などの高度なセキュリティの提供により、安全な環境でNEC以外のクラウドサービスの利用も可能にする。医療情報交換の標準規格に適応したデータ連携にも対応しており、医療機関における将来的な医療データ活用にも応用できる。月額の税別価格は3万5000円から。

 MegaOak Telehealthは、ビデオ通話によるオンライン診療機能と患者・家族・医療機関間のコミュニケーションを組み合わせ、地域中核病院を核とした情報連携を強化する。医療機関の電子カルテシステムの外部接続が可能となり、患者本人の同意の上、地域の医療従事者間との利用にも広げることができる。

 クリニックから地域中核病院への紹介時は、直接オンラインで地域中核病院の予約が可能となり、患者情報の安全かつスムーズな連携を実現する。過去の実証では、同サービスを活用して患者一人当たりの予約作業時間を約65%削減できることを確認している。

 また、地域中核病院からリハビリ施設や介護施設などの転院先医療機関との転院調整や退院後のフォローをオンラインコミュニケーションを活用して行うことが可能となり、同サービスを活用し地域中核病院が退院を調整することで、患者一人当たりの転院調整時間を約30%削減できることを確認している。月額の税別価格は14万8800円から。

 MegaOak Template for 問診は、従来紙で行っていた問診票記入を、患者自身のスマートフォンや院内で用意したタブレット端末などを使用し、院内外から問診情報を入力可能にする。これにより院内の待ち時間の短縮を実現する。設問内容を柔軟に設計でき、設問は患者の回答内容によって次に表示される設問が変わる仕組みのため、無駄なく最小限の項目での入力環境を提供する。病院共通設問については院内で共有されるため、別の診療科において再度入力の手間を無くすことが可能となる。月額の税別価格は8万8000円から。

 MegaOak Voice Assistは、医療に関する専門用語に対応した音声認識エンジンを搭載することで、看護師の発話内容を高精度でテキストに変換し、効率的に電子カルテシステムへの転記を可能にする。多くの時間を要する看護記録業務を軽減して患者へのより質の高い看護に注力することが可能となり、過去の実証では看護記録業務における入力時間を約50%削減できることを確認している。月額の税別価格は16万1200円から。

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