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AWS re:Invent

データセンターから宇宙までつながるクラウド--アマゾンCTOが語ったこと

國谷武史 (編集部)

2021-12-03 16:44

 Amazon Web Services(AWS)の年次イベント「re:Invent 2021」が12月1~3日に開催された。締めくくりとなる最終日の基調講演には、Amazonの最高技術責任者(CTO)を務めるWerner Vogels氏が登場、15年間のサービスにおけるクラウドの広がりと開発者らに向けたメッセージを送りつつ、複数の新サービスも発表した。

「re:Invent」の登場スタイルが話題になるAmazon CTOのWerner Vogels氏
「re:Invent」の登場スタイルが話題になるAmazon CTOのWerner Vogels氏
講演開始後すぐ“正装”に戻ったVogels氏
講演開始後すぐ“正装”に戻ったVogels氏

 同社にとって2021年は、2006年のサービス開始から15周年、re:Inventの開催は10回目の節目となっている。初日の基調講演で最高経営責任者(CEO)のAdam Selipsky氏が、同社サービスの歴史を振り返ったが、Vogels氏はサービスインフラにフォーカスして話を進めた。

 2006年に開始した同社のクラウドサービスは、サーバーやストレージ、ネットワーク、ロードバランサー、データベース、データセンターといったあらゆるITインフラのリソースを「プログラマブルなものに変えた」とVogels氏。15年間に渡る継続的な投資がこれを実現する数々のサービスを生み出したとする。例えば、EC2のインスタンスは3種類で始めたが、re:Invent 2021時点では475種類にまで増加した。

EC2のインスタンスは15年間で3種類から475種類に
EC2のインスタンスは15年間で3種類から475種類に

 「あらゆるワークロードをカバーしている。MacもSAP HANAも」とVogels氏は続ける。これを後押しするのが独自開発するハードウェアだとする。ここで新インスタンスサービスの「Amazon EC2 M1 Mac」を発表した。Macのインスタンスは2020年に初めて加わったが、これはAWSが開発する「AWS Nitro System」基盤に「Mac mini」に接続することで、Macのリソースをベアメタルサーバーのように活用できるようにしたものだ。

 クラウドインフラの継続的な増強は、高性能処理を必要とするさまざまなITサービスを実現しているとVogels氏。一例として、「Amazon Echo」に話しかけた人の音声がネットワークを介してクラウドデータセンターで処理され、再びネットワークを介してユーザーに結果を返すまでの「Amazon Alexa」の仕組みを取り上げた。

Amazon Alexaのようなサービスもクラウドインフラの発達で実現している
Amazon Alexaのようなサービスもクラウドインフラの発達で実現している

 クラウドサービスのネットワークは、人間で言えば血管に当たるだろう。ユーザーにストレスなくサービスを提供するために、世界25カ所にサービス提供拠点の「リージョン」を展開し、リージョン間を完全冗長化された高速のネットワークで接続している。Vogels氏は、さらにスイスやスペイン、ニュージーランド、オーストライリアのメルボルンなど9つのリージョンを追加する計画を明かした。

 ただ、リージョンだけでは人体に張り巡らされた血管のようには、世界の隅々までをカバーするのが難しい。そこで2019年に、リージョンよりリソース規模が小さいながら同社サービスへのアクセス性を向上させるための「ローカルゾーン」を展開し始めた。これについても2022年以降、米州や欧州、アジア太平洋、アフリカで30カ所を新設することを発表。また、ユーザーがAWSベースのSD-WANを構築、運用できる新サービス「AWS Cloud WAN」も発表した。

 ローカルゾーンと合わせて2019年には、第5世代移動体通信(5G)技術を活用してユーザー環境に近い場所(エッジ)で機械学習の推論やオンラインエンターテインメントサービスなどを提供できるようにする「AWS Wavelength」も導入。また、エッジ環境とAWSのデータセンター間をつなぐコンピューティングサービスとしては、「AWS Outposts」や「Snowball」といったアプライアンスを用意する。また、IoTデータ活用向けに「Greengrass」や「Amazon Monitron」のサービスやカメラ映像アプライアンスの「AWS Panorama Appliance」などを導入した。Outpostsについては、新たに1Uおよび2Uサイズの2つの新モデルを加えた。

 Vogels氏は、このように15年の歴史でデータセンターからエッジ、デバイスまでがクラウドにつながる世界が実現されたと振り返る。ただし、ここまでは地球上のことであり、Vogels氏はさらにつながる先として示したのが宇宙だ。2018年には、Lockheed Martinと共同で人工衛星から地上基地局を介してデータセンターにデータを送り、安価で手軽に利用できるようにする「AWS Ground Station」を発表している。

 「人工衛星の地上基地局ですらプログラマブルになった。AWS経由で衛星からのデータを20分以内に利用できるようになった」とVogels氏。さらに、AWSが宇宙のアクセラレーターとなり、「あらゆる空間とクラウドがつながる世界」と語った。

クラウドがつながる先が宇宙にまで広がっているとVogels氏
クラウドがつながる先が宇宙にまで広がっているとVogels氏

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