クリックテック・ジャパンは1月11日、2022年度の事業戦略についてオンライン形式で説明会を開催した。
まず、米Qlik 最高戦略責任者(CSO)のDrew Clarke氏がグローバルの事業概況を説明。グローバルでは、Software as a Service(SaaS)の年間経常収支が3桁の成長、従業員数が前年同期比で10%の増加となった。全体的な業績と収益性の高さを維持しており、合併買収や研究開発、企業責任、多様性&包含などへの投資を継続しているという。その上で「2021~2022年の見通しは好調」とした。
Clarke氏によると、データとアナリティクスの大きなトレンドは、「アナリティクス」「データ」「アプリケーション」「コンピュート」の各領域による4つの波の相互作用が働いている。例えば、音声認識が新しいインタラクションパラダイムを推進しており、データウェアハウスの近代化・無秩序化がデータカタログの必要性を高めているという。また、リアルタイムに処理するトランザクションシステムが急増しており、マルチクラウドと新しい柔軟性により、アナリティクスの用途が拡大している。
次に、同氏は同社が直近で買収・統合した技術を紹介。「カタログとリネージ」機能はビジネスで使えるデータをオンデマンドで提供するもので、ユーザーは「Qlik Cloud」カタログ内の各データセットの出所と用途を容易に理解することが可能になる。「データの信頼性と理解度を高め、業務効率を向上させる」とClarke氏は説明する。
「AutoML」は、ビジネスアナリティクスのための自動機械学習機能。キードライ
バー分析、予測分析、what-ifシナリオといった機械学習モデルをノーコードで開発可能という。「Application Automation」はSaaSアプリとQlik Cloudにまたがるノーコードのビジュアルインターフェースになる。データとアナリティクスのワークフローを自動化し、新しいインサイトに基づいたアクションを即座に実行可能にする。
新たなパートナーシップとしては、Application Automationで既に可能となっている自動化を補完するものとして、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)基盤を提供する米UiPathと提携した。Qlik Cloudアナリティクスのユーザーは、UiPathの自動化機能を活用して、Qlik 内で直接ダウンストリームアプリケーションのタスクの優先順位付けやアクションを起こすことが可能になる。
日本市場の戦略については、クリックテック・ジャパン カントリーマネージャーの今井浩氏が説明。「経営課題としてのアクティブインテリジェンスの訴求」「パートナーエコシステムの強化」「ユーザーコミュニティの醸成」を2022年の重点施策として挙げた。
アクティブインテリジェンスの訴求では、最高データ/デジタル責任者(CDO)設置とデータリテラシーの重要性を訴求する。具体的には、CDO Clubとの共同調査やデータリテラシーの無料講座開設など。
また、既存パートナーの強化と新規パートナーの開拓を進めるとともに、コアユーザーを中心とした情報発信を拡大していくとしている。