5Gスマホへの買い換え時期を探る--重要なのは今後を見据えたアップグレード

Allison Murray (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2022-03-11 07:30

 数年前に5Gが最初に登場したとき、ダウンロードとアップロードの高速化や、ウェブブラウジングとアプリ内体験の改善がうたわれていた。2022年になっても、5Gスマートフォンに心を動かされていない人が多いが、その状況が近いうちに変わる可能性はあるのだろうか。

 5Gスマートフォンは、最初の対応デバイス(2020年のサムスンの「Galaxy S20」など)がリリースされて以来、消費者に売り込まれてきたが、5Gに夢中になるよう消費者を説き伏せるのは、たとえばカメラやディスプレイの改善に比べて難しいことが判明している。言うまでもないが、5Gデータプランはモバイルキャリアごとに異なり、混乱を招いているほどだ。

 Strategy Analyticsのデバイステクノロジー担当ディレクターであるKen Hyers氏は、2022年が5Gスマートフォンと消費者にとっての転換点になるとの考えを語った。Hyers氏は、どのモバイルテクノロジーが出荷と販売を推進しているかに関して、すでに中間点を越えたと指摘する。

 Strategy Analyticsのデータによると、2021年第4四半期に初めて、5Gスマートフォンの世界出荷台数が4Gスマートフォンを上回ったという。さらに、2022年には、北米での5Gスマートフォン出荷台数が40%近く増加するとみられている

 「私自身も含めて多くの消費者が、スマートフォンを平均で3年使い続けていると思う。そのため、2022年に新しいスマートフォンを買おうと考えている人は、5Gスマートフォンを購入すれば、買い替えを検討する2025年頃まで、『時代遅れにならずにすむ』だろう」とHyers氏は語る。

 「今月や今年にできることだけでなく、来年や再来年についても考えることが非常に重要だ。そうしておけば、(5Gを)活用するサービスやアプリが登場したときに、備えができている」

 消費者による5Gスマートフォンの購入を促すとみられる重要な変化はもう1つあり、特にこの数カ月で大きく進展した。約100Mbpsの通信速度と4Gの到達範囲を兼ね備えた中周波数帯の5Gサービスが利用可能になったことだ。VerizonとAT&Tは先頃、Cバンド周波数(中周波数帯5Gの一種)の提供を米国のさまざまな都市で開始した。両キャリアは、新たに提供開始された周波数をサポートする消費者向けデバイスのリストを公開している。両社は2022年を通じてCバンドをさらに多くの都市に拡大する計画であるため、対応デバイスが他にも登場するはずだ。

 「中周波数帯が利用可能になり、4Gよりも大幅に高速な形態の5Gがあるので、実際に(5Gスマートフォンに)アップグレードする理由がある」とHyers氏。「ダウンロードの高速化、見たい動画をすぐに視聴できる機能、より良いオンラインゲーム体験を求めているなら、ついにそれがかなう」

 消費者の関心とは無関係に、全体として市場は5Gへと向かっている。知らないうちに、販売されているスマートフォンが5Gスマートフォンだけになっているだろう、とHyers氏は語る。

 「市場の大半のデバイスは5Gだ。4Gの選択肢は限られており、今後も減少の一途をたどっていき、非常に低価格の製品だけになるだろう」とHyers氏は述べた。「長く使い続けられるデバイスを求めていて、2022年にスマートフォンの購入を考えているなら、5Gスマートフォンにしよう」。とはいえ、多くの人にとって、5Gスマートフォンを買いたくなるような5G必須のアプリはまだない。

 だが、Hyers氏は、5Gを必要とする画期的なアプリが登場したとき、それを利用できるようにしておきたいはずだ、と主張する。「そのキラーアプリは今もどこかで開発が進められている」(Hyers氏)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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