
提供:Upper Left Photography
HootSuiteの設備担当チームがバンクーバー本社の500台のデスクを撤去して、代わりに昇降式ワークステーション、個室ミーティングスペース、デスク付きフィットネスバイク、デスク付きトレッドミルを設置すると決定したとき、同社のハイブリッドワークへの高額な賭けが成功するかどうかについて、不透明感が漂っていたのは当然のことだ。
しかし、おそらくその点は重要ではない。「うまくいくかどうかは分からないが、試してみて、どんな結果になるか確かめる必要があると思う」。HootSuiteのグローバルファシリティーズ担当ディレクターのCarol Waldmann氏はこのように語る。
職場の設計は、Herman Millerの「Action Office II」の時代から大きな進歩を遂げている。Action Office IIとは、世界中のオフィスワーカーから敬遠されるようになった悪名高い「キュービクル型オフィス」のことだ(設計者のRobert Propst氏は、このことに大いに落胆した。皮肉なことに、Propst氏はAction Office IIを、デスクワーカー向けの柔軟でカスタマイズ可能な新しい作業空間として概念化した)。
幸いにも、キュービクル型オフィスは姿を消しつつある。ハイブリッドワークが定着し、仕事生活と家庭生活、その間のすべてについての長年の概念が見直される中で、企業は現代の職場の大規模な再設計に再び着手するようになった。
HootSuiteは多くの企業と同様に、2020年3月にCOVID-19のパンデミックが発生したとき、職場の閉鎖を余儀なくされた。同ソーシャルメディア企業は48時間のうちに世界中の14のオフィスをすべて閉鎖し、1200人以上の従業員を在宅勤務に切り替えた。
長期的なリモートワークにより、従業員の関与とつながりの維持など、さまざまな課題が生じる中で、HootSuiteはこの機会を活かして、オフィススペースの使い方を見直した。さらに重要なことに、再開後のオフィスから引き続き価値を得るにはどうすればいいか、と従業員に尋ねた。
その後、HootSuiteは8カ月をかけてバンクーバー本社を改装した。何列ものワークステーションが撤去され、居心地の良い防音ブース、ラウンジエリア、快適な椅子が設置された。ベルベットのカーテン付きの新しい「ウェルネスルーム」も用意され、子どもの世話をする母親や勤務中にちょっと休憩したい従業員が利用できるようになっている。頭と体を同時に動かしたい従業員は、HootSuiteの新しいデスク付きフィットネスバイクやデスク付きトレッドミルを使うことができる。

HootSuiteの新しいロンドンオフィスに設置されたデスク付きのフィットネスバイクとトレッドミル。
提供:Hootsuite
Waldmann氏は、これらの設備がHootSuiteの従業員の間でかなり好評だと述べたが、同氏自身は使ったことがないと認めた。
「多様なスタイルで働く人々に幅広い機会を提供しようと試みている」。同氏は米ZDNetにこう語った。「このプロセス全体が、まさに試行錯誤の繰り返しだ」
実験は、ハイブリッドワークへの移行の初期段階を進めていくときに、重要な役割を果たす。
パンデミックによって、可能な人には在宅勤務が必須になると、オフィスは間もなく消滅するのではないかという疑問が一部で生じた。ビジネスパーソンは、通勤に費やしていた時間とお金を取り戻し、生活を仕事に合わせるのではなく、仕事を生活に合わせられることを実感したからだ。

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現在では、多くの企業で両方の長所を組み合わせたモデルが定着しており、スタッフが選択した場合は在宅勤務を認める一方で、オフィスを共同作業のハブとして、また社会的なつながりや仕事のつながりを築く場として、引き続き開放している。
HootSuiteがオフィスの恒久的な閉鎖を検討したことは一度もなかった。「これらのオフィスは、組織として、従業員とのつながりを維持するための場所だと、私はずっと信じてきた」とWaldmann氏。
「1日に1000回の(ビデオ)通話をしたとしても、オフィスで誰かに会って、5分間の短い会話をするのと同じことにはならない」