モバイル機器向けやIoT向けのチップを手がける大手メーカーのQualcomm Technologiesは米国時間6月22日、人工知能(AI)分野の開発者向けランタイム製品「Qualcomm AI Stack」ポートフォリオを発表した。Qualcommはこの製品について、同社のチップが採用されているスマートフォンや、IoT配備におけるコネクテッドインフラ、コネクテッドビークルといった、「あらゆる事業分野における固有のAIニーズ」に対応するものだとしている。
このポートフォリオには、同社の「Qualcomm Neural Processing SDK」といった既存ツールが包含されている。また、開発者が「あらゆる製品を横断して同一の作業を活用」できるようになっている。
Qualcommの製品管理担当バイスプレジデントであるZiad Asghar氏は報道陣向けの説明で、「われわれは当社が展開しているすべての事業分野をまたがったかたちで、単一のテクノロジーロードマップを拡張している」と述べ、「現段階では、顧客の業務機能を取り出し、それをさまざまな事業分野をまたがるかたちで移植していくことだ」と続けた。
このソフトウェアスタックは、ワークロードの定量化手法といった電力効率面に注力するとともに、Qualcommと同社の顧客が採用している多くのハードウェアをまたがるコードのポータビリティー(可搬性)に主眼を置いている。
Asghar氏は、効率という観点に立つと「われわれが提示しているワットあたりのパフォーマンスは、一定の電力でどれだけの作業をこなせるのかという点で傑出したものとなっている」と述べ、「同じハードウェアであっても、ソフトウェアの最適化によって30〜40%のパフォーマンス向上を実現できる場合がある」と続けた。
Asghar氏は、さまざまなコンテキストを取り扱える能力が大きな長所となっていると述べた。
「一部の分野では、末端市場に大きな力が注がれている――それらは自動車分野やクラウド分野だ」(同氏)
同氏は「これが、われわれのハードウェアから引き出せる最大級のエクスペリエンスであり、他社にはない利点だ」と述べた。
「これ(AI Stack)により、効率という観点と精度という観点から極限まで最適化された最善のエクスペリエンスを得られるようになる。これが、われわれとパートナー各社にとって最も大きな差別化要因になると考えている」(同氏)
Asghar氏によると、同テクノロジーの目標は、機械学習(ML)のパフォーマンスを顧客の手によってさまざまな尺度から調整できるようにすることだという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。