本連載では、「情報セキュリティガバナンス」や「ITガバナンス」の中でもセキュリティ対策に関わる部分を全社的・グローバルに、かつスピーディーに企業へ展開できるガバナンスモデルについて解説する。
これまでITセキュリティガバナンスの準備やポリシー定義について説明してきた。今回は総括として、簡単にガバナンスモデルの定義からポリシー定義まで再度まとめた上で、今まで準備してきたガバナンスモデルやポリシーを実際に企業や組織に適用し、管理していく方法について触れていく。
ITセキュリティガバナンスの範囲
初回の記事でも触れたが、今回は、「ITセキュリティガバナンス」の範囲におけるポリシーの定義やガバナンスに関して説明する。ITセキュリティガバナンスとは、ITの視点で情報セキュリティガバナンスを捉えて範囲を限定することにより、従来の情報セキュリティガバナンスやITガバナンスよりも、スピーディーに企業や組織にガバナンスの浸透を図ることを目的としている。
ガバナンスモデルの定義
ITセキュリティガバナンスに限らないが、ガバナンスモデルで最初に定義しておくべきことがあり、以下の3つの軸でポリシーを適用する範囲を決める必要がある。
- ポリシーを適用する企業や組織としての範囲
- ポリシーに含む運用フェーズとしての範囲
- ポリシーを適用する端末としての範囲
ポリシーの適用範囲を決めた上で、カバーされる「運用項目ごと」に管理方法を決めておく。