Microsoftは米国時間7月6日、「Windows 11」向け「Android用Windowsサブシステム」(WSA)のアップデート(バージョン2205.40000.14.0)を、「Windows Insider」プログラムの米国ユーザー向けに配信開始した。高度なネットワーク機能により、「ネットワーキングに大きな変更を加えた」としている。
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WSAは、Windows 11デバイスがAmazonアプリストアで提供されている「Android」アプリを実行できるようにするもの。
同社は5月に高度なネットワーク機能を導入し、Windows 11のPCでAndroidアプリを実行できるようにしていた。
これにより、AndroidアプリをWindows PCと同じローカルネットワーク上にあるスマートデバイスに連携できるようになった。なお、高度なネットワーク機能は、IntelもしくはAMDのチップを搭載したPC向けの、x64版Windowsの新しいビルドでは、デフォルトで有効になっている。
WSAの最新リリースでは、「ネットワーキングに大きな変更」を加えたことで、AndroidアプリがARMコンピューターのローカルネットワークのデバイスにアクセスできるようになった。また同社のブログ記事によると、WSAはIPv6と仮想プライベートネットワーク(VPN)接続にも対応している。
高度なネットワーク機能により、スピーカーや防犯カメラなど、Androidアプリと互換性があるスマートホームデバイスにも接続できる。同社が5月に説明したように、互換性のあるAndroidアプリがあれば、同じネットワーク上にあるコンテンツをスピーカーで再生したり、防犯カメラなどのスマートホームデバイスを設定したりできる。
他にも、WSAは独自のIPアドレスではなく、ホストマシンやホストコンピューターと同じIPアドレスを持つようになる。この変更により、WSAの設定アプリにある開発者向けセクションでは、WSA仮想マシンのIPアドレスが削除されている。
WSAは、マウスやキーボードなど、AndroidやWindowsデバイスのオープンソースインターフェースとの互換性を確保するために、「Hyper-V」を搭載したVMで実行される。ちなみに、「Linux 用 Windows サブシステム」(WSL)もVMで実行される。WSAとAndroidアプリを実行するには、「Microsoft Store」からWSAとAmazonアプリストアをインストールし、Windows 11で仮想化を有効にする必要がある。
同社は2021年10月に、AMD、Intel、Qualcommのプロセッサーに対応したWSAのプレビュー版をリリースした。WSAはIntelの技術により、Armチップ専用のアプリを、IntelやAMDのチップを搭載したハードウェアでも実行できる。
現時点で、Amazon Appstoreプレビュー版からAndroidアプリをインストールできるのは、米国ユーザーだけだが、2022年末までには、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国でも試用できる見通しだ。
なお、IPv6およびVPN接続が有効になったものの、WSA設定アプリで高度なネットワーク機能が有効になっていると、一部のVPNでは安定性に問題があるようだ。
同社は、「AV1 Codec」サポートを追加し、WSAを「Chromium WebView 101」向けに更新したほか、5月のAndroidカーネルパッチを適用した。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。