NTTデータは、100%再生可能エネルギーを利用したカーボンニュートラルデータセンターにおいて、サーバールーム内をリアルタイムに可視化するシステム「Green DC energy management」を開発し、7月1日より運用を開始したと発表した。
「Green DC energy management」画面イメージ
同システムは、サーバールーム内の温度や湿度だけでなく、サーバー内蔵センサーから給気温度や電流値、電力消費量、CPU稼動率、冷却エネルギー、再生可能エネルギー導入量などをリアルタイムに一元管理できる。
同システムを運用することで、サーバールーム内の温度や湿度の環境を視覚的に把握でき、サーバー増設などで熱だまりが発生した場合に、問題を早期に検出することができる。加えて、サーバーの電流値をリアルタイムに確認できることから、回路ごとの許容電流値に対する使用状況も把握できる。
同社のサーバールームで今回のシステムを活用し、温度センサーから取得した情報を機械学習。空調機を自動制御する空調AI(人工知能)の制御と組み合わせ、室内の高温エリアをサーバー単位で割り出した。これにより集中的な冷却が可能になり、過冷却を抑制しつつ、冷却エネルギーを約35%削減することに成功した。
「Green DC energy management」温度分布図、サーバー情報詳細イメージ
今回の可視化システムは、NTTデータと住友電設が共同開発した。サーバーからの情報収集はインテルの「インテルデータセンター・マネージャー」を使用し、空調AI制御は、NTTファシリティーズの「Smart DASH」を使用している。
NTTデータは、今後自社データセンターへ順次展開する予定で、現在建設中の「三鷹データセンターEAST2期棟」への導入を予定。また、サーバールームだけでなく建物全体の使用電力を可視化し、テナントごとやサーバーラック単位で使用電力を管理したり、ビル全体の環境負荷を管理したりできる統合管理システムを構築するという。