ゴディバ ジャパンは、サプライチェーンマネジメントプラットフォームにSaaS型プラン二ングプラットフォーム「Anaplan」を採用し、2月に本格運用をスタートさせた。Anaplan Japanが発表した。
統合基幹業務システム(ERP)が取り込んだ売上、在庫、POSデータをAnaplanと連携させることで、「Excel」データを担当者間でリレーすることなくリアルタイムに情報を共有できるようになり、同社のサプライチェーンマネジメントは大幅に効率化した。以前は2人で3日を要していたS&OP(Sales and Operations Planning)用の月次レポート作成では、1年で約300時間の作業時間の削減が見込まれている。
Anaplanは、ビジネスの分析、計画、実行のための革新的な方法を提供するツール。独自のHyperblockテクノロジーにより、リアルタイムに経営のパフォーマンスを分析し、将来の結果を予測する。これにより、迅速で確実な意思決定を可能にするという。
ゴディバ ジャパンによる「サプライチェーン改善プロジェクト」の概要
ゴディバ ジャパンのERPシステム上にマスターデータとして登録されるアイテム数は1万点にも及ぶという。販売や在庫状況を分析するためのデータは従来Excelで管理されていたため、部署や担当者間でのデータ共有および集計業務に手間と時間がかかり、サプライチェーンの全体像を把握しづらかった。
この課題解決のために同社は「サプライチェーン改善プロジェクト」を組織し、「サプライ プランニング」「S&OP」「デマンド プランニング」の3フェーズで最適なサプライチェーン環境の構築を進めている。プロジェクト発足直後は、S&OPのためのデータを社内の各部門から収集する作業が煩雑な上、複雑に入り組んだExcelデータを分析してレポートを作成するために大きな負担が発生していた。
Anaplan導入後は、属人化していた分析やレポーティング業務を省力化しただけではなく、サプライプランニングに関する意思決定の速度が上がり、販売機会の損失や余剰在庫発生の防止も実現している。これまでは経営判断に必要な情報は社内に散在しており、担当者がそれらを整理・収集してレポーティングを行っていたが、導入後は、データがすでに整理された状態でデータベース上に存在しているため、必要に応じてドリルダウンするだけでプランニングが可能となった。
同社は今後、「サプライチェーン改善プロジェクト」のフェーズ3にあたる「デマンド プランニング」に本格的に取り組んでいく。また、将来的なAnaplanの活用として、ベルギーの工場や協力会社などへの発注業務やファイナンスシステムとの連携にも取り組んでいく予定だ。