Appier Groupは12月14日、人工知能/機械学習(AI/ML)の技術を活用し、ブランド企業やマーケターの意思決定と実行を支援する次世代型顧客データ基盤(CDP)「AIRIS」を発表した。
AIRISは、同社がカスタマーデータサイエンスプラットフォーム(CDSP)と呼ぶ「AIXON」のユーザー中心の高度な予測AI機能と、2022年10月に買収を完了したカスタマージャーニー分析SaaS「Woopra」のデータ分析/可視化機能を統合したものになる。Appierでは、「ブランド企業やマーケターに高いレベルの裁量と柔軟性を提供し、データから得られるインサイト獲得までの時間を大幅に短縮することが可能になる」としている。
なお、AIRISの名称は“iris”(瞳の虹彩)に由来しており、企業が顧客を正確に理解し、予測的な洞察を瞬時に得るための視覚化に焦点を当てた名前になるという。アジア太平洋地域でサービスが展開され、対応言語は英語、日本語、中国語になる。
Appierの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のチハン・ユー氏は「データからいかに最短でインサイトを得るかということは、企業やマーケターにとって課題の一つだった。AppierのAI技術とデジタルマーケティングのノウハウを融合した次世代CDPは、マーケターのニーズを満たすだけでなく、この課題に対応する市場をリードするソリューションとなるだろう。AIRISは、シームレスなデータ統合、迅速なデータの可視化、予測モデルのカスタマイズといった機能を企業に提供することができ、これによって企業とそのお客さまとの関係は一層強化されるとともに、顧客体験を次のレベルに引き上げることが可能となる」とコメントする。
AIRISでは、既存のクラウド型データベース、オンライン/オフラインの販売データ、ウェブサイトやアプリ、メッセンジャーなど、50以上の外部プラットフォームから得られるさまざまなユーザーデータをシームレスに統合し、顧客中心の包括的な360度顧客ビューを構築可能。これにより、サードパーティーデータの規制が強まる中でも、顧客の購買意欲や好み、意思決定の傾向を可視化して、データに基づくストーリーを展開できるという。
また、ワンクリックによるユーザー属性の定義やプラグ&プレイによるセットアップ、ローコード/ノーコードのインターフェースなど、IT部門やデータサイエンティストなどの手を借りずに、マーケターにとって必要な意思決定や活動計画のインサイトを簡単に得ることができるとしている。
ユーザー中心の直感的な分析テンプレートも内蔵されており、ユーザーに影響を与えたさまざまな顧客接点を可視化できるようになっている。マーケターは時間枠やセグメント、継続および解約率などの分析を通じて、長期的なコホート行動を分析し、出来事の相関関係やインサイトを得ることが可能。
さらに、サイト訪問者に対し、500以上のユーザー属性に関する予測を瞬時にタグ付けするため、マーケターは自動機械学習プラットフォームで、顧客エンゲージメントと予測モデルを即座に調整することができるという。結果として、顧客から好意的に受け止められているキャンペーンを多く提供できるようになるとのこと。
AIRISでは、ユーザーによるCookie利用の同意状況を容易に管理でき、ユーザーのデータプライバシーを尊重しながらデータの価値を最大化するとともに、さらなる分析やキャンペーンの活用につなげることができるとしている。