業界団体Fintech Open Source Foundation(FINOS)は米国時間12月8日、米ニューヨーク市で開催されたOpen Source in Finance Forum(OSFF)で、「2022 State of Open Source in Financial Services Survey」と題した調査レポートを発表した。その結果、(おそらく驚く人はいないだろうが)金融機関のほとんどがオープンソースソフトウェアを採用していることが明らかになった。
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仮想通貨がブロックチェーン技術の限界を押し広げ、ニュースの見出しになっている一方で、金融サービス企業はソフトウェア開発に対して保守的なアプローチを取っていることで知られている。
しかし、金融機関がLinuxやオープンソースと距離を置いているわけではない。現実はその真逆だ。例えば、2000年代の後半に生まれた高頻度取引はオープンソースソフトウェアによって実現したものだし、同時期には、世界中の証券取引所が「Linux」に移行している。また最近では、世界中の資金運用機関が、オープンソースをただ使うだけでなく自ら手掛けるようになっている。
Broadbridgeの最高技術責任者(CTO)Roger Burkhardt氏は以前、このような変化が起こった理由の1つについて、インフレや不況の時期には「金融機関は費用を節約する必要があり、オープンソース開発はその役に立つ。(中略)圧倒的に少ない予算で多くのことを求められている開発者やIT部門の意思決定責任者にとって、オープンソースは抗いがたい魅力を持っている」と説明していた。
念のために補足しておくと、Burkhardt氏の発言は、2008年に起こったサブプライム住宅ローン危機に関するものだ。しかし要するに、景気が悪い時期にはオープンソースが威力を発揮するということだと考えていいだろう。
オープンソースが成功したもう1つの大きな理由は、企業内でのオープンソースのプロモーションが組織的に行われるようになったことだ。オープンソースプログラムオフィス(OSPO)を設置している企業では、オープンソースの利用を奨励している可能性が2倍高く、オープンソースに対するコントリビューションを奨励している可能性は3倍近くに及ぶ。