AIOpsはDevOpsと同じか?
AIOpsは、昨今のIT運用管理に欠かせないもう一つの方法論「DevOps」を補完することに留意する必要があります。どちらの用語も「Ops」を使用していますが、その違いに注意することが重要です。
DevOpsは、ソフトウェアの開発と配備、監視および継続的なアップデートを合理化する一連のベストプラクティスです。ソフトウェア開発者、IT組織、システム運用者が同じ開発手法とツールを使用することで、より効率的に業務を行えるようになり、部門間のサイロを解消することができます。DevOpsは、ソフトウェア開発のライフサイクルに焦点を当てているのに対し、AIOpsは、本番環境のソフトウェアが効率的で、安全かつ確実に動作することに焦点を当てます。
AIOpsとDevOpsは異なるものですが、幾つかの共通した特徴があります(図3参照)。どちらも、ソフトウェア開発者とIT運用チームの能力を向上させるために自動化を利用しています。両者とも、確立された一連のステップを実行するために定義され、うまく組織化されたパイプラインに依存しています。
また、どちらも継続的な改善と最適化に重点を置いています。DevOpsでは、ソフトウェアの新バージョンを迅速にアップデートしてリリースすることでこれを実現できます。AIOpsでは、データの収集と統合を継続的に行い、その結果をAIOpsの検出と修復の段階の基礎となる機械学習のアルゴリズムの改善に利用することで達成されます。
図3.AIOpsはDevOpsを補完
AIOpsプラットフォーム活用のメリット
IT担当者は、大量のデータを取り込み、複数のデータソースを統合し、データソース間でイベントを関連付け、問題を検出し、その問題を新しい技術で解決して、より効率的なITシステムをサポートするように設計されたツールを必要としています。これがAIOpsの機能です。
AIOpsを導入することで、オンプレミス、クラウド、ネットワーク機器からの多様なデータをリアルタイムに収集・分析し、アラートの原因を自動的に特定・分析・修復することができ、システムの安定稼働と保守・運用コストの削減が可能になります。AIOpsがワークロードとプロセスの合理化を支援するあらゆる機会を提供するため、AIOpsソリューションとAIOpsツールを持つ信頼できるパートナーを選定すれば、AIOpsの恩恵を十分に受け、デジタル変革を支援し加速させることができます。
また、表面的な可視性しか提供しない手動タスクや異種のツールに頼るのではなく、ITインフラ全体の観測性を解決することで、システム障害の背後にある「なぜ」に対する深い洞察を得るための第一歩を踏み出し、より効果的にAIOpsを活用してパフォーマンス問題に先手を打つことができるようになります。
- Sascha Giese(サシャ・ギース)
- Head Geek, SolarWinds Inc.
- SolarWindsのEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域を統括するアイルランド本社に勤務。「Cisco Certified Network Associate(CCNA)などさまざまな技術認定を取得。10年以上にわたるITのキャリアの中で、同社のシニア プリセールス エンジニアとしてチャネルパートナーや顧客に対する製品トレーニングを担当し、同社のプロフェッショナル認定プログラム「SolarWinds認定プロフェッショナル」においても力を発揮している。