千葉県佐倉市は、日立システムズの「ADWORLD」を中心とした27の基幹業務システムをガバメントクラウドへ移行した。同市では1月にガバメントクラウド上の新たな環境で、業務運用や住民サービスの提供を開始している。協力開発事業者として選定された日立システムズが、3月7日に発表した。
ADWORLDは、住民情報の管理や財務管理、介護保険などの基幹業務システムから各種証明書の自動交付やコンビニ交付、公共施設の予約システムなど、自治体の幅広い業務に対応するソリューション。
全国の自治体では、「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」に基づき、目標時期である2025年度までに、ガバメントクラウド上に構築された標準準拠システムへの移行が進められている。デジタル庁が提供するガバメントクラウドを活用し、標準準拠システムを全国の市区町村が安心して利用できるようにするため、2021~2022年度にかけて検証を行う先行事業が実施されており、佐倉市は2021年10月に同事業の対象団体に採択された。
日立システムズは、同事業に併せて、現行の基幹業務システムをリフトする計画のもと、デジタル庁が活用を推進するIaC(Infrastructure as Code)を利用した環境を構築。また、各種ツールを用いて標準化の対象業務を含む計27の基幹業務システムのリフトを2022年12月に完了した。同市は、2023年1月から新たな環境で各種業務の運用を開始している。
今回実施したリフトと今後実施予定のシフトの概要
佐倉市が同事業の協力開発事業者に日立システムズを選定した理由には、ADWORLDが標準化の対象になる17業務を含むオールインパッケージであり、リフトしやすいことや、同社がガバメントクラウドの専任部署と専門知識を持った技術者を保持していたことがあるという。
同事業では、月に1度の定例会で進ちょくや課題を共有し、ガバメントクラウド特有の課題が発生した際には、経験と知見を持ち寄り解決したことで、予定通り運用を開始できたという。今後は、住民基本台帳業務のシステムなどのシフトをはじめ、標準化対象システムのシフトを日立システムズと共に協力し、遅滞なく推進していきたいとしている。