筆者は1997年から「Linux」をメインのデスクトップOSとして使っており、考えられる限りのあらゆるLinuxを使用し、テストしてきている。その間には、「Linuxを知らないユーザーに最適」だとうたわれるLinuxディストリビューションも数多く試してきた。その主張は正しい場合もあったが、今ひとつな場合もあった。
Emmabuntusのようこそ画面
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET
それでも新規ユーザー向けの新しいディストリビューションがリリースされたと聞くたびに心が躍る。なぜならそれは、新しいユーザーが プロプライエタリなOSを使わずに済むようにするオープンソースOSが、1つ増えたことを意味するからだ。「Emmabuntus」の新バージョンがリリースされたと聞いた筆者は、当然ながらすぐに試してみたいと考えた。
Emmabuntusは、「Debian 11.6」をベースとした軽量なLinuxディストリビューションで、デスクトップ環境を「Xfce」と「LXQt」から選ぶことができる。ただし筆者は通常、新しいユーザーにXfceを勧めることはあまりない。その理由は、Xfceには設定オプションが多すぎて、面倒すぎると感じかねないからだ。
しかしEmmabuntusは、デスクトップに扱いやすいドックとトップバーを採用しているのに加え、ほとんどのユーザーが(少なくとも最初のうちは)面倒だと思うようなコーデックやフォントの追加などの作業を、最初に実行されるウィザードで終えられるようになっている。もちろん、Xfceに十分に慣れたあとに、好きなだけ細かい設定を掘り下げていくこともできるのだが、Emmabuntusでは、誰でもすぐに使い始められるような導入の仕組みが用意されているため、新規ユーザーにも安心だ。
Emmabuntusには新しい安定版(バージョン4)も存在するのだが、筆者は最新バージョンのベータ版(バージョン5)にどのような要素が追加されているかを確かめてみることにした。その結果には、かなり満足している。そしてこのベータ版は、日常的に使用できるほど洗練されているわけではないが、非常に有望だ。このディストリビューションを試してみるのが久しぶりだったこともあって、ベータ版に付きもののいくつかの不都合を除けば、使ってみた印象は非常によかった。