海外コメンタリー

子どもにも最適な軽量Linux「Emmabuntus」--導入の簡単さと使いやすさが魅力

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2023-03-13 06:30

 筆者は1997年から「Linux」をメインのデスクトップOSとして使っており、考えられる限りのあらゆるLinuxを使用し、テストしてきている。その間には、「Linuxを知らないユーザーに最適」だとうたわれるLinuxディストリビューションも数多く試してきた。その主張は正しい場合もあったが、今ひとつな場合もあった。

Emmabuntusのようこそ画面
Emmabuntusのようこそ画面
提供:Screenshot by Jack Wallen/ZDNET

 それでも新規ユーザー向けの新しいディストリビューションがリリースされたと聞くたびに心が躍る。なぜならそれは、新しいユーザーが プロプライエタリなOSを使わずに済むようにするオープンソースOSが、1つ増えたことを意味するからだ。「Emmabuntus」の新バージョンがリリースされたと聞いた筆者は、当然ながらすぐに試してみたいと考えた。

 Emmabuntusは、「Debian 11.6」をベースとした軽量なLinuxディストリビューションで、デスクトップ環境を「Xfce」と「LXQt」から選ぶことができる。ただし筆者は通常、新しいユーザーにXfceを勧めることはあまりない。その理由は、Xfceには設定オプションが多すぎて、面倒すぎると感じかねないからだ。

 しかしEmmabuntusは、デスクトップに扱いやすいドックとトップバーを採用しているのに加え、ほとんどのユーザーが(少なくとも最初のうちは)面倒だと思うようなコーデックやフォントの追加などの作業を、最初に実行されるウィザードで終えられるようになっている。もちろん、Xfceに十分に慣れたあとに、好きなだけ細かい設定を掘り下げていくこともできるのだが、Emmabuntusでは、誰でもすぐに使い始められるような導入の仕組みが用意されているため、新規ユーザーにも安心だ。

 Emmabuntusには新しい安定版(バージョン4)も存在するのだが、筆者は最新バージョンのベータ版(バージョン5)にどのような要素が追加されているかを確かめてみることにした。その結果には、かなり満足している。そしてこのベータ版は、日常的に使用できるほど洗練されているわけではないが、非常に有望だ。このディストリビューションを試してみるのが久しぶりだったこともあって、ベータ版に付きもののいくつかの不都合を除けば、使ってみた印象は非常によかった。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2023年OTサイバーセキュリティの現状レポート--75%の組織が過去1年間に1回以上の侵入を経験

  2. セキュリティ

    サイバーセキュリティ強化に向けてマイクロソフトが示す実践的な指針を紹介

  3. セキュリティ

    5分でわかる「AWS WAF」--基礎知識から運用で陥りやすい3つの落とし穴までを徹底解説

  4. セキュリティ

    最前線で活躍するトップランナーと本気で考える、これからのサイバーセキュリティ

  5. 経営

    ガートナーが指南、迅速な意思決定を促す「AI」活用を実践する3つの主要ステップ

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]