アビーム、財務経理の業務基盤として「BlackLine」導入--工数が約7割削減

大場みのり (編集部)

2023-03-10 15:05

 アビームコンサルティングはグローバルビジネスの拡大に当たり、財務経理の業務基盤としてブラックラインの経理業務変革プラットフォーム「BlackLine」を導入し、稼働させた。ブラックラインが3月10日に発表した。

 アビームコンサルティングは40年以上にわたり、日本/アジア発のグローバルコンサルティングファームとして、経営戦略の立案から業務コンサルティング、IT導入/運用まで一気通貫のサービスを提供し、顧客の変革を支援してきた。また、日本企業のグローバルビジネスの拡大に伴い海外拠点の整備を進め、海外パートナーとの提携も強化している。

 財務経理部門においては、紙の帳票を使った手作業の多さが課題となっていたが、コロナ禍で業務変革の機運が一気に高まったという。また、自社のグローバルビジネスの拡大に対応するため、コンプライアンスの順守や決算品質を維持しながら、本社経理を主軸としたグローバルな経理体制の構築が求められるなど、質と量の両面でレベルアップすることが急務となっていた。

 こうした課題を解決するため、財務経理部門では業務をデジタル化し、組織全体の知見を蓄積するプラットフォームの構築が必要だと判断した。同社は、請求業務や入金業務などの財務経理のオペレーション全般を効率化したい現場の視点と、グローバルでの業務の可視化と標準化を望むマネジメント視点の両方を満たすソリーションとしてBlackLineを採用した。

 BlackLineの導入は、3つのステップで進められた。初年度のベースになる部分の開発では、BlackLineに知見のある社内のコンサルタント部門の協力を得ながら、実業務への展開は財務経理部門が中心となって行った。

 2021年6月に実装したタスク管理モジュールの導入では、それまでのビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)活動で財務経理業務のタスクが整理されていたこともあり、2カ月後の2021年8月に運用を開始した。ベテランの経験知に依存していた業務の属人化が解消し、進捗(しんちょく)状況が可視化されることで、業務の品質が向上した。また早期の成功体験により、高いモチベーションのもと次のステップに臨むことができたという。

 2021年後半~2022年前半、仕訳入力とマッチングのモジュールを導入。仕訳入力モジュールの活用で紙伝票ベースの運用を廃止するとともに、承認権限の再整理を行い、債権の入金消込業務にマッチングモジュールを活用することで、現場のオペレーションが効率化された。これまでは毎月の最終営業日に集中する大量の入金を短期で一気に処理するため、数人がかりでも毎月末残業が発生していたが、入金消込処理の自動化により、工数の約70%を削減した。その結果、残業が不要になっただけでなく、特に判断が難しい入金のチェックのみの対応となり、幅広い人材の有効活用につながっている。

 そして、2022年度から勘定照合と差異分析のモジュールを導入。決算での照合業務や前払費用の費用化処理といった効率化や標準化が可能となっているという。

 アビームコンサルティング本社の財務経理部門では、BlackLineの活用方法の高度化と適用範囲の拡大に取り組みながら、今後は海外子会社への横展開を進めることを予定している。海外拠点を含めたグループ全体の財務経理の業務プロセスを標準化・一元化することで、目の前の効率化だけでなく、同社が目指す姿に見合ったサステナブルな財務経理を目指すとしている。

 アビームコンサルティング財務経理ユニット ダイレクターの中川仁氏は次のようにコメントしている。

 「会社の持続的な成長を支えるには、ナレッジの集中と属人的業務の徹底的な排除、プロセス標準化によるガバナンスの強化、高付加価値業務へのシフトが不可欠である。当社では、定量的な業務削減を図りながらも、それ以上に10年後の経理組織に何を残すべきかという視座から、経理部門の在り方自体のアップデートを期待し、BlackLineを導入した。当社経理の新たな業務基盤として、環境変化やリスクに迅速に対応できるサステナブルな組織づくりを加速してくれると確信している」

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