生活家電などを手掛ける専門商社の山善は、人事管理システム「SAP SuccessFactors」を採用し、2023年2月に稼働させた。人材開発や人事異動、報酬管理などの領域で段階的に拡張を進め、同社のパーパス(存在意義)を実現する「新人財マネジメントシステム」として活用する。
山善グループは、2022年4月に同社初のパーパス「ともに、未来を切拓く」と、2030年に向けたビジョン「世界のものづくりと豊かなくらしをリードする」を制定し、さらなる企業価値の向上を目指している。その戦略実行の土台となる「人財マネジメント戦略」は、同社によって最も重要な取り組みである。
2021年に新たなタレントマネジメントシステムの検討を開始した。その過程においては、グローバルで実績のある製品や、国内の安価でシンプルな単機能製品など複数ベンダーの製品を比較調査した。その結果、次の3点でSuccessFactorsが同社にとって最適だと判断した。
- グローバルでの人材マネジメントプラットフォームとして多様な機能と拡張性がある
- 日本での導入実績も豊富にあり、将来に向け段階的な拡張性も有する
- 「人事業務のビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)」と「タレントマネジメントの高度化」の両方が実現可能である
システム構築では、人事管理データベースと目標・評価管理機能から導入し、給与など定型業務については外部委託ベンダーによるビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)から始めてタレントマネジメントシステムと連携する形で進めていった。導入プロジェクトにおいては、豊富な導入経験と人事業務、システムにおけるノウハウを持つEYストラテジー・アンド・コンサルティングが担当した。