ヴイエムウェアは11月14~15日、都内で年次イベント「VMware Explore TOKYO」を開催し、基調講演に米VMware 最高経営責任者(CEO)のRaghu Raghuram氏と、VMwareを買収するBroadcom プレジデント CEOのHock Tan氏が登壇した。Tan氏は「買収が間もなく完了する」と強調した。
Broadcomは、2022年5月にVMwareを610億ドルで買収することを発表した。VMwareは、日本を含む年次イベントの世界ツアーを実施中で、Raghuram氏とTan氏は11月上旬に開催されたスペイン・バルセロナでの同イベントにもそろって登壇していた。
東京でのイベントに登壇したVMware CEOのRaghu Raghuram氏
東京のイベントでVMwareのRaghuram氏は、「創業25周年を迎えて幾つものマイルストーンがあり、最も大きなものがBroadcomと一緒になることだ。2022年5月からTan氏と共に仕事を進めており、彼も『VMwareとのビジネスはとてもエキサイトだ』と話している」と述べた。
東京でのイベントに登壇したBroadcom プレジデント CEOのHock Tan氏
Raghuram氏の招き入れで登壇したTan氏は、「BroadcomはVMwareと共に顧客、パートナーに価値を提供する。この1年余りで世界中のCIO(最高情報責任者)やパートナーと会話してきた。買収は近く完了する。その後に向けて3つのコミットメントをしたい」と表明した。
Tan氏は、VMwareの買収完了後の基本方針として(1)研究開発の投資強化、(2)パートナーエコシステムへの投資強化、(3)VMwareのソリューションの運用性――の3つを掲げ、「VMwareによるイノベーションをこれまで以上に加速させ、パートナーエコシステムを通じてVMwareのソリューションをより手軽に利用できるようしていく」と補足した。
Broadcomが示したVMware買収後の基本方針
基調講演後のメディアとの会談でRaghuram氏は、「Broadcomによる当社の買収が間もなく完了する見通しとなったため、パートナーやお客さまに直接説明をするべく、(イベントのリアル会場に)Tan氏も参加した。3つの基本方針については、正式に買収が完了してから詳細が開示されることになると思うが、現時点(2023年11月14日)では、お話することができない」とコメントした。
Broadcomは、米国時間の10月18日にVMwareの買収が同月30日に完了予定だと発表したが、海外報道によれば、その後に中国の審査当局の承認が出ておらず買収が完了していないことが明らかになった。BroadcomとVMwareの合併に関する合意の最終期限は米国時間11月26日となっている。