Wovn Technologiesは11月16日、アプリ多言語化ソリューション「WOVN.app」で「WebView」の翻訳を可能にした。
WebViewは、ネイティブアプリ内でもウェブページを閲覧できるようにする機能。アプリ画面に既存のウェブページをそのまま取り込むことができ、コンテンツの更新時にもアプリストアによる審査を受ける必要がないため、開発・運用のコストやリソースの削減を可能にする。
多くのアプリがWebViewを使用している一方、その多言語化には課題があったとWovn Technologiesは述べる。アプリを多言語化するには「言語別にアプリを開発する」または「国際化対応のアプリを開発し、翻訳ファイルで管理する」のが一般的だが、いずれにおいてもWebViewは翻訳の対象外なため、個別に翻訳手段を検討し、対応する必要があったという。
今回のアップデートにより、SDKを組み込むだけでアプリ画面もWebViewも同時に多言語化が可能になった。「お知らせ」や「ニュースリリース」といった、高頻度かつ突発的な更新が発生するコンテンツについてもリアルタイムな多言語発信を実現できると同社はアピールする。
WebViewの対応とともに、WOVN.appはHTML編集機能も搭載した。同機能は、多言語にしたアプリの文字フォントサイズやテキスト色などをWOVN.appの管理画面上で変更可能にする。これにより、元のアプリのコードに手を加えることなく、多言語アプリのユーザーインターフェース(UI)を変更できるようになる。
Wovn Technologiesは、WOVN.appの開発ロードマップも明らかにしており、「ライブエディター」機能の搭載や、サイト内検索、ツールチップ、チャットの多言語化対応を予定している。
ライブエディターは、スマートフォンで表示させたアプリ画面や、WOVN.app管理画面内で仮想的に表示させたアプリ画面などにおいて、翻訳結果をワンクリックで編集し、実際のアプリ画面に反映できるようにする。アプリ画面のデザインを考慮した翻訳を可能にし、レイアウト崩れを簡単に修正できるようにするとともに、直感的な操作でエンジニアでなくても簡単・スムーズに多言語運用をできるようにする。
電子商取引(EC)サイトなどで顧客体験を向上させるために必須のサイト内検索について、多言語で入力されたキーワードに対し、多言語での検索結果表示を可能にする予定だ。
地図上に用意され、タップすると表示される情報であるツールチップに含まれるテキストも多言語化できるようになるという。小売・外食・不動産業界などにおける店舗・地域の情報を、地図を用いた分かりやすいUIで外国人にも届けることが可能になる。
チャット内のテキストをワンクリックで多言語化できるようにする。入力された言語にかかわらず、ユーザーの端末の設定言語に合わせた翻訳結果が表示されるようにする。これにより、世界中のアプリユーザー同士が母国語でコミュニケーションをとれるようになるという。
また、ウェブサイト多言語化ソリューション「WOVN.io」との連携を強化し、翻訳資産の共有を可能にする。「表記ルールが守られていない」「文章のトーンが違う」といった、翻訳者が変わることによって起こり得る問題を防ぎ、ウェブサイトであってもアプリであっても、企業として統制のとれた多言語表示を可能にする。