「rlxOS」は改変不可能(immutable)なOSだ。ご存じない方のために説明すると、改変不可能なOSとは、そのOSのコアが読み取り専用であることを意味している。そのようなOSでは、ユーザーは、ログ、ユーザー設定、ユーザーファイル以外は変更できない。そのような仕組みを用いる理由は、セキュリティを高めたいからだ。改変不可能なOSは、市場に出回っている中でも極めて安全性が高い部類のOSに入る。
rlxOSのデスクトップは美しいが、その見た目にだまされてはならない。
提供:Jack Wallen/ZDNet
rlxOSは、改変不可能性をかなりしっかりと実現している。やり過ぎだと言っていいかもしれない。
rlxOSをインストールしたときに最初に気づくのは、「Xfce」の外見が非常に美しいことだろう。筆者が初めてrlxOSを起動したときには、デスクトップに「Ubuntu Budgie」か「KDE Plasma」が使われているのではと思ってしまいそうになったほどだ。筆者は、Xfceは多少古くさく見えるものだと思っていたのだが、rlxOSはその思い込みを覆し、現代的なひねりを加えたデスクトップに仕上げている。Budgieのようなエレガントさはないものの、ほとんどのデスクトップ環境と張り合えるレベルに達していると言える。
プレインストールされているアプリケーションは比較的少なく、「Firefox」、「Parole Media Player」、ファイルマネージャー、設定変更のためのさまざまなアプリなどに限られている。しかし、それ以外のことになると、いろいろと問題がある。
どういうことか説明しよう。
アプリケーションがインストールできない
OSを改変できないようにすれば、セキュリティが極めて高いシステムを作れる。しかし、セキュリティの高さには代償が伴うものであり、rlxOSはその典型だと言っていいだろう。最初に言っておくが、筆者は「Linux」の使いこなし方を十分に知っている。ほぼすべてのパッケージマネージャーを扱ったことがあるし、ソフトウェアをインストールする方法については熟知しているので、どんなLinuxディストリビューションでも困ることはほとんどない。ところが、rlxOSではどうにもならなかった。「Flatpak」がインストールされているにも関わらず、1つもアプリケーションをインストールできなかったのだ。
何度「flatpak install APP」(APPにはアプリケーションの名前が入る)コマンドを実行しても、「Problem with the SSL CA cert (path? access rights?)」と言われてエラーになってしまう。sudoで権限を付与してflatpakを実行しても、結果は同じだった。そして筆者が見る限り、ほかにアプリケーションをインストールする手段は存在しないようだ(GUIは見当たらず、ドキュメントでもほかのパッケージマネージャーには言及されていない)。
筆者にはFlatpakが吐くエラーを解決することはできなかった。
提供:Jack Wallen/ZDNet
これは、ソフトウェアのインストールが必要な人にとっては非常に厄介な状況だ。