調査

AIの影響を最も受けそうな職業とは--英教育省調査

Maria Diaz (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2023-12-11 13:41

 英国の教育省が最近公開した調査によると、人工知能(AI)は職業の10~30%を自動化する可能性があり、その大半はホワイトカラーに分類される職業だという。

提供:gremlin/Getty Images
提供:gremlin/Getty Images

 この調査では、AIチャットボットによって電話営業担当者や、事務弁護士、心理学者、教師、機関/個人投資家とそのアシスタントの仕事に影響が出る可能性を指摘している。「ChatGPT」や「Google Bard」をはじめとするチャットボットは、日常的に繰り返される定型作業を、多くの顧客を同時に相手にしながら、24時間、苦もなく均質に遂行できる。

 またこの調査ではAIチャットボットだけでなく、AIによって支援されるヘルスケア分野の診断ツールや、金融分野のアルゴリズムトレーディングといった、AI全般の影響を最も受けそうな職業にも目を向けている。その上位5つには、経営コンサルタントおよびビジネスアナリストや、財務担当マネージャー、会計士、心理学者が含まれている。

 AIやオートメーションは、データ入力や簡単な取引処理といった、日常的な定型作業を実行できる。またAIは、人間がより深い洞察や共感、あるいは意思決定を要する複雑なタスクに集中できるよう、支援してくれるツールにもなり得る。

 AIはプロフェッショナルの仕事を奪うのではなく、プロフェッショナルの仕事をより高度なものにできるという好例がヘルスケアだ。AIは人が診断するよりも迅速に、複雑な画像から腫瘍を見つけ出すことができるものの、人間の医者が最終的な意思決定や鑑別診断を実施しなければならず、医学的観察を考慮したうえで、患者のすべての情報を処理していく必要もある。

 同調査では、AIがこれらの職を完全に担うようになるとは主張しておらず、「AI(の影響)に最もさらされる」という表現を用いている。つまり、これらの仕事はAI搭載ツールやAIチャットボットによって取って代わられるというよりも、一部の業務が自動化されることで補完されるということを意味している。なお同調査では、さまざまな職務に必要とされる遂行能力を考慮し、10種類の一般的なAIアプリケーションによって、それらの職務がどの程度支援されるのかを考察するというアプローチが用いられた。

 AIツールの影響を最も受けにくい職業に意外性はなく、手作業や熟練したスキルが必要とされるものだった。最も受けにくいとされる職業はスポーツ選手、屋根職人、建設作業員、左官職人などだった。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    Microsoft Copilot for Security--DXをまい進する三井物産が選んだ理由

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]