Googleは米国時間12月21日、同社ブログへの投稿でウェブブラウザー「Google Chrome」の新機能を発表した。その中には、悪意あるアクティビティーを通知する機能や、使用メモリーの解放を支援する機能が含まれている。
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まず「Safety Check」(安全確認)だ。Chrome本体に組み込まれているこのツールにより、Chromeが保存しているパスワードが漏えいデータ内で見つかった場合や、インストールされている拡張機能が悪意を有している可能性がある、ウェブサイトに与えた特定の権限について確認を要する、といった場合にユーザーにその旨が通知されるようになる。
Safety Checkはこれまで、手作業で起動する必要があった。しかし最新バージョンのChromeでは、バックグラウンドで稼働し、潜在的に危険なアクティビティーを検出した際に自動的に警告してくれるようになっている。
また同機能によって、特定サイトを一定期間利用していない場合にそのサイトに与えていた権限を見直す機会が与えられる。こうした権限の例として、ユーザーの位置情報の共有や、マイクの使用許可が挙げられる。
さらに、ほとんど利用していないウェブサイトから大量の通知が送られてきているかどうかを確認し、即座に該当サイトからの通知を無効化できるようになる。また、Safety Checkは引き続き手作業でも起動できるが、今後は自動で起動されるようになる。
Googleは「Memory Saver」(メモリーセーバー)ツールも強化し、パフォーマンス面での向上を図っている。このツールは、Chromeが多くのタブを開く場合に特に多く消費するシステムメモリーとリソースの使用量を減らすためのものだ。Memory Saverを有効化することで、Chromeはアクティブ状態になっているタブの応答性を維持できるよう、非アクティブ状態になっているタブのメモリーを解放する。
最近のアップデートによって、タブ上にポインターを移動させるだけで、開かれているそれぞれのタブが使用しているメモリーの量を表示できるようになった。タブのメモリーを解放してほしくないウェブサイトを簡単に指定することもできる。
Chromeの最新バージョン(「macOS」版とLinux版は「20.0.6099.129」、「Windows」版は「120.0.6099.130」)にアップデートすべき大きな理由がもう1つある。このバージョンには、GoogleのThreat Analysis Group(TAG)の研究者らが発見し、実際に悪用が確認されている重大な脆弱性に対処した新たなセキュリティ修正が含まれている。
「CVE-2023-7024」という共通脆弱性識別子が割り当てられているこの脆弱性は、Chromeの過去のバージョンに搭載されていたWebリアルタイム通信(WebRTC)コンポーネントに潜んでいるヒープオーバーフローの脆弱性により、巧妙に細工されたHTMLページを用いた遠隔地からの攻撃を許してしまうというものだ。
デスクトップ版Chromeには、すべてのタブを整理するのに役立つ「タブグループ」という機能がすでにある。今後数週間のうちに行われるアップデートにより、このタブグループを保存し、Chromeが動作する他のデスクトップデバイスからアクセスできるようになる。
さらに2024年初頭には、人工知能(AI)モデル「Gemini」を活用した、よりスマートで役立つ機能がChromeに搭載される予定だという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。