塩野義製薬は、同社が提唱する「HaaS(Healthcare as a Service)」を実現するためのデータ解析基盤として「Snowflake」を採用した。
HaaSとは、ヘルスケア・社会ニーズの高度化や個別化への期待の高まりを受け、技術革新やデータ活用の促進により、未病、予防、診断、治療、フォローアップの各ステップで最適化されたソリューションを提供することを目指している。
塩野義製薬はSnowflakeを活用し、データの可視化と高度解析の基盤を構築した。同社は「セントラルデータマネジメント構想」を掲げ、Snowflakeを業務領域横断的な解析用データウェアハウスと位置付けている。
データベース研究などのエビデンス構築におけるデータ解析では、医療ビッグデータに代表される大規模なヘルスケアデータの高速な処理が不可欠となる。塩野義製薬では、従来のオンプレミス環境からSnowflakeのデータクラウドに移行することで、大規模データの解析にかかる時間を約30〜70%短縮させた。
これによりデータサイエンティストの思考の中断をなくし、モチベーションの維持に貢献する。また、さまざまなヘルスケアソリューションを多くの人により早く提供できるようになる。
SHIONOGIのセントラルデータマネジメント構想
セントラルデータマネジメント構想を踏まえた基盤構築では、「オンプレミスからクラウドへの大規模移行の品質担保」「複雑かつ柔軟な認証認可の実装」「データ管理運用方針の検討」という3つの課題があった。
そこでSnowflakeは、インテージテクノスフィアと共同で、クラウドへの移行対象の全データ群に対してハッシュ値を用いた検証手法を用いた。データの整合性・妥当性の品質を担保した上で、Snowflakeの最新機能を検証し、今後のデータ管理運用に向けて、より最適なアクセス制御方法を確立した。