マイクロソフト、財務向け「Copilot for Finance」のプレビュー版を公開

Tiernan Ray (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2024-03-01 11:28

 Microsoftは米国時間2月29日、財務向けのAIチャットボット「Copilot for Finance」のプレビュー版を公開した。財務担当者が売上高の差異分析、回収の迅速化、未払いの請求書を追跡できるように支援するのが目的で、あらゆるものに生成AIの統合を目指す、同社の取り組みの一環となる。

電光掲示板に表示された数字
提供:Nikada/Getty Images

 ビジネスアプリケーション&プラットフォーム担当コーポレートバイスプレジデントのCharles Lamanna氏は、「財務担当者の62%は、データ入力と財務情報のレビュー業務に忙殺されていると述べている。Copilot for Financeにより、業務の合理化やワークフローの自動化が可能になるため、ビジネスに助言や洞察を提供する時間を確保し、本来の戦略的な役割を果たすことができるようになるだろう」と説明した。

 同社によると、Copilot for Financeは売上高の差異分析などが行える。例えば、実際の売上高が予測を下回る可能性がある場合、サマリーとその理由を自然言語で提供する。

 同社は発表の中で、「Excelで自然言語プロンプトを使い、データセットの異常、リスク、一致しない値のレビューを行い、素早く差異分析を実行する」と述べている。「この種の分析は、財務部門が経営陣に戦略的な洞察を提供する上で役立つ。例えば、計画していた業績について、達成できたか、あるいは上回ったのか下回ったのか、その場所と理由について情報を提供できる」

 ユーザーは提案されたプロンプトを使い、統合基幹業務システム(ERP)と財務システムの記録全体から直接データを引き出し、そのソースを分析できる。

 ビジネスアプリケーションマーケティング担当責任者Emily He氏によると、売掛金の担当者がプロンプトで尋ねると、Copilotが必要なデータを呼び出すため、売掛金のチェックを迅速に行い、「時間とコストを大幅に削減できる」という。

 同社は過去1年間に、生成AIの導入を精力的に進めており、ほかにも生産性スイート向けの「Microsoft Copilot for Microsoft 365」やERP向けの「Microsoft Dynamics 365 Copilot」などがある。

 Finance Copilotは、Microsoft 365の生産性アプリと連携できるように、同スイートに組み込まれている。同社は現在、デモ版プレビュー版を提供しているが、料金は明らかにしていない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  4. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  5. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]