データプラットフォームを提供するSplunkの日本法人Splunk Services Japanは4月4日、オブザーバビリティに関するメディアワークショップを開催した。
松本浩彰氏
冒頭、同社でオブザーバビリティ・ストラテジストを務める松本浩彰氏は、Splunkについて、顧客がビジネスを遂行できるよう貢献したいとの思いを持っており、顧客のビジネスレジリエンスを確保するよう全ソリューションをデザインすることが企業理念と説明する。
「オブザーバビリティをキーワードとしてソリューションを提供する企業は多くあるが、ビジネスレジリエンスがいかに保てるかを顧客目線で考えているのがわれわれの特徴」(松本氏)
ビジネスレジリエンスが最近注目されているが、その背景には、ビジネスでデジタル技術を使うのが当然のことになり、デジタル技術を正しくコントロールすることがビジネスの成否に関わるという事情がある。Splunkでは、ビジネスレジリエンスを担保する要素としてセキュリティとオブザーバビリティを位置付けている。
オブザーバビリティはITサービスの健全性を担保するためのものだが、Splunkは、単に技術の観点からでなく、顧客のビジネスの観点で捉えているという。「サービスが常に快適に使える状態でなければビジネスがダメージを受ける」という考えだと松本氏は語る。セキュリティも同様で、サービスのパフォーマンスが良くてもセキュリティに問題があれば使われなくなりビジネスに影響が出る。
「サービスは、可用性が保たれて、レスポンスが良く、セキュリティ的に安心できるという状態が整わない限り使われない。使われる状況を常に保つのがビジネスレジリエンス上必要だという発想でオブザーバビリティとセキュリティを捉えている」(同氏)
さらに、オブザーバビリティでは、ITサービスの健全性を担保するにとどまらず、高度化して効率的なサービス管理を目指す。セキュリティでも、堅固なセキュリティを効率的・効果的に実現できる状態を作り出したいとする。その実現においては、データ駆動型で各分野の改善策を推進する必要があるという。
Splunkのプラットフォームは、一つでオブザーバビリティとセキュリティを担保するが、これは、企業が求めるのは統合プラットフォームという考えに基づいていると松本氏。企業にとって重要なのは、自社サービスが使える状態でユーザーに提供されることであり、セキュリティとオブザーバビリティのどちらの観点で問題が起きているかではないという。そのため、一方の側面だけ管理できればよいということはなく、一つのプラットフォームで両方を管理できた方がよいとなる。
Splunkでは、ダッシュボードを使ってITサービスの健全性をさまざまな角度から分析できるだけでなく、企業の利益や売り上げといった運営上の数値も確認できる。ビジネスレジリエンスが担保されているかを企業の経営陣でも把握できる環境を簡単に作れると松本氏は強調する。
「1つのプラットフォームにデータを集約し、企業が見たいものを常に見える状態にする。その上で、企業が効率的に的確な判断を下し、アクションにいかに早く移すことを可能にするかを目指した場合、統合プラットフォームの必要性を強く感じる」(松本氏)