NECは6月21日、日本テレビ放送網(日本テレビ)の映像素材管理システム「Total Asset Managementシステム」(TAMシステム)のクラウド移行を行い、2024年5月下旬から本格稼働を開始したと発表した。
TAMシステムは、日本テレビの約200万件以上に及ぶアーカイブ素材情報や番組メタ情報を管理し、検索・プレビュー・利用申請機能を提供する。NECは2019年、「Media-Serpla MAMベーシック」をベースとしたMedia Asset Management(MAM)を基に、日本テレビにオンプレミス環境でのTAMシステムを提供したが、今回は実行環境に「Amazon Web Services」(AWS)を活用することで、システムのフルクラウド化を実現した。
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今回のクラウド化により、設備維持コストの削減に貢献するとともに、ビジネスの変化に伴う業務量の増大やデータ連携対象システムの拡大にも柔軟に対応できるようになるという。加えて、番組制作関係者は日本テレビ社屋に足を運ぶことなく、同システムを通して素材や情報へのアクセスが可能となり、場所の制約から解放されるとともに、国内外の優秀なクリエーターとの番組制作が促進されることが期待されるとしている。
日本テレビでは「中期経営計画2022-2024」において、「すべての人の働きやすさの実現」に向けて「番組制作におけるクラウドシステムの導入等」を掲げており、同システムはこうした改革にも貢献するとNECは説明する。
今回のクラウド化について、日本テレビでDX推進局データ戦略部主任の淺木宏視氏は「当社は、番組制作におけるクラウドシステム導入により、効率的かつ多様性のある働き方を目指しており、TAMシステムはアーカイブ素材利用には不可欠で番組制作において重要なシステムである」とした上で「今回、TAMシステムのフルクラウド化により効率的な番組制作が加速され、さらにハードウェア撤廃による大幅なコスト削減を達成した。フルクラウド化へのセキュリティの懸念もあったが、十分にセキュリティ対策がされた構成を提案いただき、非常に満足している。今後も放送システムのさらなる進化に向けて、クラウド活用の幅を広げていきたい」とコメントしている。