NTT西日本、TBSテレビ、日本実業団陸上競技連合(実業団連合)、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP)、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト(NTTスマートコネクト)は、2020年1月1日に開催される「ニューイヤー駅伝inぐんま~第64回全日本実業団対抗駅伝競走大会~(ニューイヤー駅伝2020)」において、小型かつ軽量のGPSデバイスによる選手位置情報の可視化技術を用いて、全区間の駅伝選手の位置情報をほぼリアルタイムでテレビなどに配信する。NTT西日本が12月27日に発表した。
スポーツ競技で選手の位置情報を可視化する取組みは世界中で行われている一方、駅伝やマラソンなどのロードレースにおいては、電波環境や選手が装着するGPSデバイスの大きさや重さが課題となり、これまで正確な位置情報を把握することが困難だったという。NTT西日本はこの課題解決に向け、実業団連合・TBSテレビ協力のもとレースなどで実証実験を重ね、今回の取り組みに至ったとしている。
この取り組みでは、GPS機能を搭載したカード型チップを選手のナンバーカードに装着。選手の位置情報を受信して「ニューイヤー駅伝2020」のデータ放送画面に出場37チームの順位を表示する。GPSデバイスのサイズは、幅が57mm、奥行きが89mm、高さが10mm。重量は約18gだという。
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なお、取得した位置情報をほぼリアルタイムで表示するサービス「いまどこ+(プラス)」により、大会関係者向けのウェブサイトにも位置情報を配信。大会関係者が地図を用いて選手の位置を確認できるようにする。同サービスは、ケイ・シー・シーが開発・運用し、NTTスマートコネクトが提供している。
NTT西日本はこの取り組みの特徴として、走行する車から無線サービスを提供する「Drive-By技術」により、“どこでもIoT”を可能にする点を挙げる。また大会関係車両にIoT無線技術の一つ「Private Lora」の無線基地局(受信アンテナ)を搭載し、選手が装着しているGPSデバイスから位置情報を受信する。加えてGPSデバイスは、高精度な位置測定を行う衛星測定システム「みちびき」に対応しているという。
各社の役割は、NTT西日本とNTTスマートコネクトが大会関係者との調整や、取り組みの実行・運営、いまどこ+の提供、TBSテレビがニューイヤー駅伝2020のデータ放送の走行順と距離差の表示、実業団連合が「ニューイヤー駅伝2020」大会の開催を担当する。NTTBPは、Private LoRaを活用した無線ネットワークの設計、Drive-By技術によるどこでもIoTの提供、GPSデバイスの開発・提供、大会関係者向けウェブサイトへの選手の位置情報表示を行う。
今後は選手の位置情報のデータ収集間隔を短縮し、位置情報表示のさらなる高精度化を目指すという。また今回の大会で得られた技術や知見を基に、他のロードレースでの展開を検討していくとのことだ。