Microsoftが「Windows 11」のセキュリティアップデートと新機能の配信方法を大幅に変更しようとしている。今後も米国時間の毎月第2火曜日(別名「Patch Tuesday」)に単一の更新プログラムパッケージが提供されることになるが、毎月サイズが大きくなっていく単一の更新プログラムファイルの代わりに、「チェックポイント累積更新プログラム」と呼ばれるものが導入される。
MicrosoftのMaliha Qureshi氏は「Windows IT Pro Blog」への投稿において、新しい更新プログラムのコンセプトの目標は、この毎月の決まった作業を、特に大規模組織の管理者にとって、「より小さく、より高速で、より持続可能に」することだと説明した。
新しい配信システムで、Microsoftは累積更新プログラムをチェックポイントとして定期的にリリースする可能性がある、と先述の投稿に記されている。後続の更新プログラムは、より小さな更新プログラムパッケージファイルで構成され、それには「最後のチェックポイントのバイナリーバージョンに対する増分バイナリー差分」が含まれる。
Windowsリリースは、サポートライフサイクルを通じて、こうしたチェックポイントが複数設定される可能性がある。Microsoftによると、「Windows 11 24H2」以降、サービススタック(Windows更新プログラムのダウンロードとインストールのプロセスを管理するコード)は「すべてのチェックポイントをマージして、デバイス上にないコンテンツだけをダウンロードしてインストール」できるようになるという。
この説明を聞いてもよく分からない、という人もいるだろう。幸い、その仕組みを正確に理解するための時間はある。新システムがWindows 11 24H2の一部として一般提供されるのは、2024年末のことだ。この新しい形式での最初のリリースは、先週の「Windows Insider Program」の「Dev」チャネルリリースの一部として提供された。
Windows PCを1台または複数台所有している人は、新しいアップデート形式について以下の4点を知っておく必要がある。
1. チェックポイント更新プログラムはサイズが小さくなり、管理しやすくなる
現在の毎月のWindows更新プログラムは、累積的なアップデートだ。毎月のPatch Tuesdayに配信される更新プログラムパッケージには、前月の累積更新プログラムで提供されたすべての修正に加えて、当月にMicrosoftが提供するすべての新機能と修正が含まれている。
このアップデート方法の利点は、何カ月も使われていないシステムであっても、最新の累積更新プログラムだけをインストールすればいいという点だ。一方で、この方法だと、更新プログラムパッケージのサイズが必然的に毎月大きくなっていく。Windows 11の各新バージョンは丸2年間サポートされるため、これらのパッケージは相当な大きさになる可能性がある。
たとえば、「Windows 11 22H2」を搭載する64ビットシステム向けの2023年7月の累積更新プログラムパッケージは302MBだった。それから1年にわたって、毎月の更新で容量が増えていき、2023年12月の更新プログラムは、2倍以上のサイズとなる622.5MBだった。2024年7月の更新プログラムパッケージのサイズは728.7MBまで増加している。