日本オラクルは、野村総合研究所(NRI)の東京と大阪のデータセンターにおいて「Oracle Alloy」の導入をサポートした。NRIは、今後これを活用し、新しいセキュリティサービスとAIプラットフォームを提供する。2月13日、日本オラクルが発表した。
今回の導入を受けNRIは、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に必要なセキュリティ対策をトータルで提供する「NRIデジタルトラスト(仮称)」を2025年度上期より提供を開始する。このサービスは、システムライフサイクル全体でのサイバーセキュリティとオペレーショナルレジリエンスの確保を目的としたプラットフォームで、関連法規やガイドラインに対応したセキュリティ機能を組み込む。
同社は、同サービスの第一弾として、Oracle Alloyを活用し、3つのコンポーネントを提供する。1つは「セキュリティビルトインクラウド」で、IT基盤構築とセキュリティ運用を統合したクラウド環境だ。2つ目は「セキュア開発プラットフォーム」で、セキュリティを標準実装し、生産性と統制強化を両立させる。3つ目は「サイバーフュージョンセンター」で、24時間365日の脅威監視と迅速な対応を実現する。
さらにNRIは、データセンターにNVIDIA製GPUを導入し、生成AIや大規模言語モデル(LLM)のデータ主権要件を満たしながら、高性能なインフラを提供する。このプラットフォームは、LLMを統合するフルマネージドサービス「OCI Generative AI」との統合にも最適化されており、金融業界向けには「NRI 金融AIプラットフォーム(仮称)」として提供される。
Oracle Alloyは、「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)の150以上のサービスの提供を可能にする。NRIによる今回の導入は、金融SaaSを提供する基盤である「OCI Dedicated Region」において、OCIの専用クラウドソリューションをより拡張して利用可能にする。
今回の取り組みによりNRIは、金融統制やデータ主権などの日本市場における厳しいクラウド活用要件に対応し、パブリッククラウドの活用に慎重な企業への選択肢を拡充する。