AIミーティングアシスタント「tl;dv(ティーエルディーヴィー) 」を展開するドイツ企業のtldx Solutionsは4月18日、日本市場に本格参入すると発表した。2025年内に日本法人を設立予定で、カスタマーサポート、カスタマーサクセス、セールス、マーケティングなどの体制を順次拡充する。
tldx Solutionsは、2020年にドイツ・アーヘンで設立されたソフトウェア企業。会議で得られた知識を効率良くデジタル化し、組織内で容易に共有可能にすることをミッションとする。世界で200万人以上のユーザーを有し、2024年の売り上げは前年比の5倍に増加したという。欧州連合(EU)やドイツの厳格なセキュリティプライバシー基準に準拠しており、日本の個人情報保護法(APPI)への対応も進めている。
tl;dvは、オンライン会議を自動で記録、要約、分析するAIソリューションになる。「Google Meet」「Microsoft Teams」「Zoom」とシームレスに連携して会議を自動で記録し、高精度な文字起こしとAIによる要約を作成する。文字起こしは日本語を含む30以上の言語に対応しており、BusinessプランとEnterpriseプランでは、音声認識モデルにOpenAIの「Whisper」を用いた複数言語の同時文字起こしにも対応する。
また、単一または複数の会議の記録に対して、抽出したい情報をAIに聞くことで、蓄積された会議データから特定の情報を抽出し、ビジネスにおける意思決定や戦略策定に役立つインサイトを導き出せる。また、抽出された結果を、任意の頻度でレポートとしてメールで共有可能となっている。
職種や目的別に用意された定石集(プレイブック)をもとに、会議の質やチームメンバーのパフォーマンスを客観的に分析。強みや改善点を可視化し、個人とチーム両面での能力育成に活用できるという。営業職向けには、「MEDDIC」や「BANT」などの主要なフレームワークに加え、オブジェクションハンドリング用のプレイブックも用意されている。
5000を超える主要なITサービスやツールとの連携も可能。「HubSpot」や「Salesforce」などの営業支援ツールとは直接統合できる。Business/Enterpriseプランでは、APIを介して外部のサービスやツールと連携可能となる。
日本での登録ユーザーは既に10万人以上となっており、先進国の中でも急成長しているという。また、セキュリティとプライバシーへの意識が高く、会議を重視するビジネス文化など、ドイツと共通点の多い日本は、今後の戦略においても極めて重要な市場だと同社は強調する。AIによる業務の効率化やデジタル変革(DX)への関心が高いことも、参入を大きく後押しした。
日本事業のカントリーマネージャーには、2025年2月1日付で溝口宗太郎氏が就任した。日本マイクロソフト、SAPジャパン、Slack、Miroなどでの経歴を持つ。今後は、サービスをはじめとしたさまざまなコンテンツのローカライズや、日本の顧客を支援するチーム体制の強化を進めていく。