SPIT

用語の解説

SPITとは

(スピット,IP電話スパム,)
SPITとは、VoIP技術を利用して行われるスパム行為のことである。
従来はもっぱらメールにおいて送りつけられてきたスパムの、音声版であるといえる。 VoIPは、インターネットプロトコル(IP)を用いたネットワーク上で音声伝送を行う技術である。 インターネットを電話網として利用することが可能となり、IP電話などとも通称される。 VoIPは、利用する回線を共有することができるため回線の利用効率が良く、非常にコストが安くつくというメリットがある。 いわゆる電話加入権を購入する必要もない。 またインターネット接続サービスとの相性が良いため、家庭向けのサービスとしてはISPが付加サービスとして無料で提供している場合も多い。 スパムとは、広告宣伝などを目的として不特定多数のユーザーに電子メールなどを無作為に送りつける行為のことである。 スパムメールの要求に応答すると、悪質な有料サービスに誘導されたりする。 受け取る個人はもちろん、大量のトラフィックを無駄に使っているという側面でも、スパムメールの山は問題となる。 一時期はスパムメールが社会問題化するまでに至っている。 SPITは、音声を媒体とするため、スパムメールにはないリアルタイム性がある。 電話に出てみるまではSPITかどうかを判別することが難しい上に、電話をとってSPITだった場合、とても多くの時間を相手に割かれてしまう。 また、音声はテキストに較べて感情に対する訴求力を持っている。 例えば緊急の用件を装ったメッセージによって「連絡ください」などと伝言された場合、気が動転して正常な判断が下せずに相手の要求に従ってしまうような場合が懸念される。 スパムメールには既に様々な対処策が講じられており、かなりの程度まで防御することが可能になっている。 他方、VoIPはいまだ成熟しきっていない技術であり、スパム対策に関しても電子メールほど充実していない状況にある。 VoIPの利用者が増加している中、スパム業者は、SPITへ乗り出すのではないかと予想されている。 現在、SPIT対策としては、電話の送信元をリアルタイムに割り出して通信を停止させる方法や、あるいはユーザーがブラックリストを登録して通話制限をかける方法などが考えられている。 ちなみに「SPIT」の語は、英単語としては元々「唾を吐く」とか「侮辱する」といった意味がある。

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