日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は3月24日、仮想化サーバと物理サーバの両方の運用を一元的に管理するソフトウェア4製品を発表した。VMwareのvSphere 4.0やESX、Microsoft Hyper-Vにそれぞれ対応する。4月1日に受注を開始する。
今回、4製品のうち新製品となる監視ソフト「Smart Plug-Ins for Virtualization Infrastructure」は、システム監視ツール「HP Operations Manager software」のプラグインソフトとなる。マルチベンダー環境下でも仮想化サーバや物理サーバを、同一のコンソール上で表示してイベントやパフォーマンスを統合管理できる。仮想化サーバで発生したエラーを自動で検知するほか、仮想化サーバが移動した場合はどの物理サーバにあるかを自動でマップ上に反映させる。価格はホストサーバ1台につき9万6600円から。
このほかの3製品は、既存製品の仮想化対応を強化したものとなる。「HP Operations Orchestration software version 7.60」は、運用管理プロセスとワークフローを自動化するソフト。実行状態はリアルタイムでGUIで表示される。価格は2688万円から。
「HP Network Automation 7.60」は、ポリシーベースの変更やセキュリティ管理、コンプライアンスなどに対応してネットワーク機器の運用管理を自動化するソフト。ベンダー約60社のネットワーク機器をサポートしているという。ESXベースの仮想スイッチ「vSwitch」のサポートを強化しており、vSwitchと物理ネットワーク機器間を統合して一元的に管理する。価格は174万7200円から。
データ保護ソフト「HP Data Protector software version 6.11」では、スナップショットを作成してバックアップする技術「VSS(Volume Shadow copy Service)」を使ってオンラインバックアップしたり、HPのストレージ製品「HP StorageWorks XP/EVA」や「HP LeftHand P4000」と組み合わせてシステムを落とさずにバックアップしたりできる。同ソフトはvSphere 4.0やESX、Hyper-Vのほかに、Citrix Xen環境でもプロキシサーバ経由でオンラインバックアップできる。価格は18万4800円から。

米国での調査によると、1企業あたり平均11の異なるプラットフォームやテクノロジ、ベンダーを採用して仮想環境を構築しているという。また、管理ツールの利用率は50%、IT部員の必要なスキルが不足しているという回答が34%を占めている。日本HP HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 マーケティング部マーケティングプログラムマネージャーの星野敏彦氏は、「コスト削減やIT利用効率の向上などを目的に、サーバやストレージ、ネットワークを仮想化して管理する動きが活発化している」とコメントする一方で、「コスト削減のための導入が、企業にとって足かせになっている」と説明する。