JFEシステムズは、JFEグループ会社向けプライベートクラウド構築で、ノベルが提供する「SUSE Linux Enterprise Server」と仮想化環境管理製品群「PlateSpin」を採用した。ノベルが1月7日に発表した。
JFEシステムズはSUSE Linux Enterprise Serverを物理サーバに搭載し、オープンソースのハイパーバイザ「Xen」で60台の仮想サーバが動作する環境を構築。仮想化分析プランニングツール「PlateSpin Recon」で物理サーバの使用状況を確認し、仮想化移行ツール「PlateSpin Migrate」で仮想環境に移行、システム管理ツール「PlateSpin Orchestrate」で仮想化環境やクラウド環境を一元管理している。
同社では、クラウド環境への移行で、システムインフラ維持管理費用を削減し、グループ企業全体で数千万円の総所有コスト(TCO)削減を見込む。今回のプライベートクラウド環境では、JFEグループ2社のシステムが仮想サーバ上で稼働している。同社はまず60台の仮想サーバの運用を目指す。今回の環境はIaaSとして位置付けているが、今後はPaaSやSaaSの分野にサービスを拡大することを視野に入れているとしている。
同社は、JFEスチールをはじめとするJFEグループのシステム開発と運用を担っており、市場の急速な変化を受けて、柔軟に対応でき、コスト効率の高いシステム基盤を模索していたという。システム監視や障害対策など属人性の高い運用では、グループ会社間の差異を解消するために、グループ会社の物理サーバを預かって管理するハウジング方式のアウトソーシングを進めていた。
その一方で、設置スペースや消費電力、サーバの老朽化やサポート終了時のシステム再構築負担といった問題を抱えるようになっていたという。こうした課題を解決し、将来を見据えたシステム基盤として、グループ会社向けのプライベートクラウド構築を決定しているとしている。