Hewlett-Packard(HP)とCisco Systemsは、HPのブレードサーバ環境に組み込むためのギガビット・イーサネット・スイッチを開発した。
HPとCiscoは米国時間1月31日、HPのBladeSystemサーバのシャーシに組み込み可能で、機能的にはCiscoの(Catalyst)2970 Gigabit Ethernet Switchの機能をベースにした、イーサネット・スイッチ・ブレードの新製品を共同開発したと発表した。この製品により、すでにCiscoのネットワーク機器を利用しているユーザーが、HPのサーバラックも使えるようになると、CiscoのMaciej Kranz(デスクトップスイッチ部門マーケティング担当シニアディレクター)は述べている。新型のブレードスイッチは、2月に発売される。
ブレードサーバは省スペースを実現できることから、従来型のラックマント型サーバを利用するユーザーから大きな関心を集めている。またブレードサーバではケーブル配線の数が少ないため、一般に管理が容易になっている。
ブレードサーバ製品ラインを持つサーバメーカーは、HPだけではない。IBMは2003年3月に、Bladecenter T Rackという製品を発表しているほか、Dellも2003年11月にPowerEdge 1855というブレードサーバを再び発表している。
調査会社IDCによると、ブレードサーバ市場の規模は2004年第2四半期に2億3300万ドルとなったが、このうち44%をIBMが占め、HPのシェアは32%、またDellの市場シェアは3%だったという。IDCでは、2008年に同市場は90億ドル規模にまで成長し、全サーバ出荷数の29%を占めるまでになると予想している。
Ciscoと提携したことで、HPはIBMに対抗してシェアを伸ばせる可能性がある。スイッチ技術のブレードサーバ・シャーシへの組み込みは、フォームファクタのメリットを享受するのに重要だと、HPのBladeSystem部門のシニアディレクタを努めるMark Potterは述べている。もしこのような形でスイッチが組み込まれなかった場合、ユーザーはブレード同士の接続に外部スイッチを使わなければならない。HPでは、2003年以来Nortel Networksのイーサネット・スイッチ・ブレードを販売している。
だが、同社はいままで、イーサネット・スイッチの分野で70%以上の市場シェアをほこる業界リーダーのCiscoの製品は扱っていなかった。これに対し、IBMは昨年8月にCiscoとの提携を発表している。
HPでは、ネットワーク機器製品を開発するHP ProCurveという部門を抱えているが、同社のサーバ部門では自社のどのイーサネット・スイッチ製品も自身のブレードサーバ環境に組み込むことはなかった。
「ProCurveは、中小規模向け市場に注力している。一方で、BladeSystemは大規模な企業データセンターアプリケーションに比重を置いている。ProCurve製品向けのブレード技術を開発することも可能だが、それはユーザーが望むものではない。ユーザーが求めているのは、Cisco製品との互換性だ」(Potter)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。