EAI(アプリケーション統合)ソフトを開発するデータ・アプリケーションは2005年10月、全銀協手順など日本固有の既存システムをつなぐ機能を、ドイツのSAP AGが開発したEAIソフト「SAP Exchange Infrastructure 3.0」(SAP XI)から利用するためのアダプタソフトを出荷する。価格は300万円から。2005年度に20社への販売を予定する。
データ・アプリケーションは100% Pure Javaで開発したEAIソフト「ACMS B2B」を出荷するベンダーである。ACMS B2Bの最大の特徴は、全銀協手順など国内に存在する複数の既存システムを統合する機能を備える点だ。今回、ACMS B2Bの既存システム接続機能をJavaの標準規格であるJCA(J2EE Connector Architecture)準拠のアダプタモジュールとして切り出した。仕組み上、SAP XIに限らずJCA準拠のEAIソフトから利用できるが、同社は「SAP XI用」をうたって出荷する。
データ・アプリケーション ACMS統括事業部 企画推進部 マネージャの大澤健夫氏 |
一方のSAP XIはJavaで書かれたEAIソフトで、JCAを経由してサードパーティ製のアダプタを使える。今回、データ・アプリケーションのアダプタを、SAP XIから利用できるアダプタとして認定した。SAP XI用アダプタとして国産製品を開発する国内企業を認定したのは、今回のデータ・アプリケーションが初めてである。
自社のEAIソフトであるACMS B2BのライバルであるSAP XIの販売促進となるアダプタの出荷を決めた理由についてデータ・アプリケーションACMS統括事業部企画推進部マネージャの大澤健夫氏は「SAP XIのアダプタという形態なら2005年度に20社へ納入できるが、SAPと組まずACMS B2Bをそのまま売っていたら新規顧客は10社に止まる」と説明。背景には、アダプタを含んだACMS B2B全体の価格は、アダプタだけを売る場合と大差がないという状況がある。