ビジネスの継続性と仮想化が今後のストレージのキーワードに--EMCジャパン - (page 3)

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:奥隆朗(編集部)、写真:津島隆雄 2005年04月13日 10時00分

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「バーチャリゼーション」でILMを促進する

--企業がILMを実施する上のキーテクノロジーをお聞かせいただけますか。

 企業が効率的にILMを実施するためのキーワードは「バーチャリゼーション」です。先ほど、ヴイエムウェアを買収した話が出ましたが、同社の持つ「仮想インフラストラクチャ」のテクノロジーは、企業がデータ保存に費やすコストを大幅に削減できる可能性を持っています。

 現在の企業のシステムの大半は、さまざまなメーカーのPCやサーバが存在する環境で構成されています。また、それぞれのサーバでは別々のアプリケーションが動作しているため、実際に利用されるリソースの量も異なります。こうしたシステムは、非常に無駄が多く、IT投資の額を大幅に増大させます。ストレージは、SANやNASを使えば統合・一元化できますが、コンピュータリソースは一元化できません。しかし、ヴイエムウェアの技術を使うことによって、点在するコンピュータのリソースを単一のプールとして扱えるようになり、リソースの効率化が図れます。

 また、EMCの提供するハードウェア/ソフトウェア/サービスは、プロプライエタリではなくオープンシステムであるため、他のシステムとの統合についても容易に行えるというメリットがあります。現在、EMCの提供するソリューションは、M&Aの効果から情報/コンテンツマネジメント、データ移行、データの保護と復旧、情報インフラ管理の分野に及んでいます。ここに仮想インフラの技術が加わることによって、ストレージ/ネットワーク/サーバといったシステムのコア部分を仮想化し、一元管理できるようになります。

--EMCが日本市場でより大きな成功を収めるための戦略をお聞かせいただけますか。

 残念ながら日本市場はメインフレーマーの力が強いことから、ネットワークストレージ分野の発展・普及が、米国より2〜3年遅れています。こうした状態を変えなくてはならないと考えています。そして、米国と同様にハードウェア販売の比率を落とし、ソフトとサービスの占める売上比率を50%程度まで上昇させることを中・長期戦略に置いています。

 一方、短期的な戦略としては、営業活動の強化が必須だと考えています。顧客企業とフェイス・ツー・フェイスの営業を行い、顧客ニーズの吸い上げと反映をより積極的に行っていきます。実際に、今年の日本市場の戦略としては、5つの重点計画を掲げています。

 1つめが、顧客の規模別のカスタマーサポートの強化で、大企業、中堅企業、中小企業と3つのカテゴリーに分けて、それぞれの顧客に適切なサポートができるようにしていきます。2つめは、営業チームとサポートチームに関する人材の強化で、1年間で20%の人員の増強を予定しています。3つめはソリューションの強化で、日本市場のニーズに合わせた製品開発のスピードとクオリティの向上を図ります。

 4つめが、日本市場はパートナー販売が重要であるため、パートナーとの関係をより強力なものにします。中でも、ラインアップの下の方に位置している中小企業向けの製品の販売パートナーを大幅に増やしていきたいと考えています。最後は、日本市場で非常に重要視されるSI力の増強で、積極的な投資をSI力の強化と技術レベルの向上に向けて進めていきます。

 現在、ILMの導入は、直接的に膨大な情報を扱う通信業界などが中心となって進んでいますが、コンプライアンスが重視されることにより、小売業や製造業といった業界へもこの流れは波及していきます。中でも医療業界は、電子カルテの普及によってデータの重要性が増していきますので、専門企業との協業をはじめとする積極的な展開を考えています。今後、企業が保持する情報量が増加するにつれて、ILMの果たす役割は重要度が上がるので、EMCジャパンとしてもそれを支援するためのさまざまなソリューションを提供していきます。

エドワード・ナイハイゼル 氏
EMCジャパン 代表取締役社長
1978年インディアナ大学ロースクール修了、JD取得。General ElectricおよびVickersにて日本とアジア・パシフィックの各地域の上級管理職を務めた後、日本ゲートウェイ(当時)の社長兼CEOを歴任。また、palmOneやEaglePicherの相談役も務めた。2005年2月より現職。

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