Hewlett-Packard(HP)は米国時間16日、ミッドレンジのストレージシステムのラインナップを刷新するとともに、今後のストレージ技術のフレームワークを公開した。
HPは、「Enterprise Virtual Array」ラインの現行製品のうち、3000と5000を廃止し、代わりに4000、6000、8000の3モデルを追加した。同社によると、新しいシステムは最大容量が増え、通信性能も高速化されているという。各システムに搭載されるハードディスクの数は、3000と4000が56台で、5000と8000が240台。そのため、112台のハードディスクを搭載する6000が追加されたことで、顧客はこれまでの中間に位置するシステムを選べるようになった。
製品ラインの拡充は、EMCやNetwork Applianceなどのストレージメーカーと、とくに再販業者経由での販売で競争していく上でHPの役に立つはずだと、Merrill LynchのShebly Seyrafiは述べている。
また、HPは同日「Enterprise File Services (EFS) Clustered Gateway」も発表した。同製品は、ProLiant DL380サーバを利用して構築されたNAS(Network Attached Storage)システム。ProLiant DL380サーバとの接続には、PolyServe製クラスタリングソフトウェアが使われている。
さらに、HPは、広域ネットワークでのデータ転送を高速化する「WAN Accelerator」も発表した。同製品は、ファイル共有を高速化するもので、大企業などでは各支店に分散しているストレージシステムを、一箇所に集中させて管理を簡素化させる機能も備えている。
HPのストレージ/サーバグループは収益が安定しておらず、そのことが同社の弱点になっている。このため、同社では顧客の関心をつなぎ止めることに取り組んでいる。
同社では、「HP StorageWorks Grid」というビジョンを掲げて、顧客の関心を引こうとしているが、これは今後ストレージがどういう働きをすべきかについて述べたものだ。
このビジョンのなかでは、ストレージシステムは簡単に拡張/設定/運用できるものになるという。このシステムは、主要な技術を使って作られるコンポーネント(スマートセル)で構成される小さなモジュールの集合体になる。そして、個々のスマートセルからストレージシステムを使用するためのソフトウェアは、仮想化レイヤーで保護されるため、設定が簡単に変更できるようになると、同社のAnn Livermore (テクノロジーソリューショングループ担当バイスプレジデント)は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ