ボストン発--SAPが米国時間19日、Microsoftとの技術統合を通じて開発中のビジネスアプリケーションの一部を披露した。
SAP取締役のShai Agassiは、当地で開催中の顧客向けカンファレンス「SAPPHIRE」にて、Microsoftとの共同プロジェクトである「Mendocino」(開発コード名)で実現しようとしていることの一部を紹介した。
2社の共同開発技術として最初に紹介されたのは、SAPのERPアプリケーションと連携するようにカスタマイズされた電子メールソフトMicrosoft Outlookだった。Agassiはまた、プロジェクト管理システムや人事管理ソフトウェアなどのSAPアプリケーションの情報にOutlookからアクセスする方法を披露した。
また同氏は、ある人物がOutlookのカレンダーに情報を入力すると、その情報が直接SAPのプロジェクト管理ツールに反映される様子を示すデモを行った。デモでは、Outlookのインターフェースに SAPのタスクバーが表示されていた。このほかにも同氏は、ユーザーがOutlookのインターフェースを利用して、SAPのデータ分析ツールが作成するデータにアクセスする例を示した。
2社の提携によって開発されたこれらのツールは、SAP製品として2006年後半に発売される予定だ。また両社の経営幹部によると、2005年の末には一部の顧客がこれを試験的に導入する計画だという。
「これは、SAPアプリケーションを使い易いものにするための取り組みだ。われわれは、これを実現したいと前々から考えていた」とAgassiは言う。「この取り組みの成果をすべてのSAPユーザーが享受できると思う」(Agassi)
また、会場では、Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmerが出演するビデオが流された。Ballmerは、今回の取り組みによって、人々のビジネスアプリケーションへのアクセス方法やその活用方法に「革命が起きる」だろうと語った。またMicrosoftは、次世代Officeビジネスパッケージで提供予定の新機能のいくつかを宣伝した。
Mendocinoの取り組みを通して、SAPは自社アプリケーションのユーザー数を増やしたいと考える。Microsoftも、自社製品とビジネスデータを連携させることで、ユーザーにOfficeのアップグレードを促したい考えだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ