流通系クレジットカード大手のオーエムシー(OMC)カードは7月29日、指紋認証装置を搭載する富士通製シンクライアントパソコンの導入決定を発表した。富士通によれば、指紋認証装置を搭載したシンクライアントパソコンの導入は国内初という。
OMCカードが導入するシンクライアントパソコンは、ハードディスクを搭載しない。アプリケーションのデータ処理はサーバ上で行う。今回の導入決定は、個人情報保護に関する消費者意識の急速な高まりと、個人情報流出の多くが書類やノートパソコンの紛失や盗難を原因とすることから実施されたもの。ノートパソコンを万が一紛失した場合も、情報漏洩を防げる。
OMCカードは11月より、カード募集などに携わる営業社員約300人にシンクライアントパソコンを配布する。これに合わせて、事務所内で使用するノートパソコン約1200台を廃止し、全てデスクトップパソコンへ切り替えて、富士通製の「非接触手のひら静脈認証装置」を導入していく。パソコンやアプリケーションを起動する際に静脈認証での本人確認を行うことで、セキュリティの強化を図る。
これらの取り組みにより、OMCカードでは個人情報の漏洩への対策を強化していくという。同社は2003年に財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)から個人情報を適切に保護する企業に認定される「プライバシーマーク」を、流通系クレジットカード会社として初めて取得している。