「オープンソースソフトの改善に資源をつぎ込みたい」--グーグルがOpenOffice開発者の採用を計画

Stephen Shankland(CNET News.com) 2005年11月01日 13時15分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Googleが「OpenOffice.org」の改良に取り組むプログラマの採用を計画している。これは、各種のオープンソースの取り組みに対して同社が親近感を抱いていることや、同社が実際的な感覚を持っていることを示すものといえる。

 OpenOfficeは、Sun Microsystemの「StarOffice」をベースに生まれたプロジェクトだ。Sunは5年前、このプロプライエタリなソフトウェアをオープンソースとして公開した。しかし、Microsoftの「Office」をライバルとする同プログラムに大きな注目が集まるようになったのはつい最近のことだ。

 Googleは現在、同社がOpenOfficeの開発に力を貸せると考えていると、同社のChris DiBona(オープンソースプログラム担当マネージャ)は述べている。同氏によると、GoogleではおそらくOpenOfficeが大量のメモリを必要とする点やダウンロードファイルの容量が80Mバイトにもなる点を改善できそうだという。

 「われわれは、エンジニアを何人か採用して、OpenOfficeの改良を手助けしたいと考えている」(DiBona)

 Googleはこれまで、オープンな環境で開発され、無償で公開されているオープンソースソフトウェアに親近感を示してきた。同社のプログラマの多くはオープンソース世代で、オープンソースのプロジェクトに携わることを自然なことと捉えていると、DiBonaは言う。しかし同時に、Googleにはビジネスの面でもオープンソース開発を正当化する理由がある。

 「Googleは、かなり多くのオープンソースソフトウェアを利用している。われわれは、このコミュニティの健全な状態を維持したいと思っている。また、オープンソースが業界で確実に競争力を維持できるようにもしておきたい」(DiBona)

 GoogleとSunは先月、複数のソフトウェアプロジェクトを推進するために提携したことを発表したが、ただしその詳細についてはほとんど明かさなかった。GoogleのCEO(最高経営責任者)Eric Schmidtも、OpenOfficeに関するコラボレーションについて質問された際、同社の持つ力が「(OpenOfficeの)普及拡大に役立つだろう」としか答えなかった。しかし、両社が協力を目指すほかのソフトウェアプロジェクトと同じく、OpenOfficeもMicrosoftのソフトウェアと直接競合することは周知の事実だ。

 IT業界で最も注目されている企業の1社であるGoogleの関与は、SunがOpenOffice.orgに注目を集めるのに役立っている。また、同ソフトウェアがMicrosoft Officeに代わるものとして真剣に検討されている理由はほかにもある。1つは、インターフェースが見直され、新機能が搭載された「OpenOffice.org 2.0」が先ごろリリースされたばかりであることだ。さらに、OpenOffice.orgは「OpenDocument」をサポートするが、これはMicrosoftのプロプライエタリなフォーマットにロックインされたユーザーを解き放つ標準ファイルフォーマットとして多くの支持を集めているものだ。

 DiBonaは、非プロプライエタリなソフトウェアの開発にGoogleが時間とコストを投資する理由について、競争上の事柄には触れなかった。

 「われわれは、Sunと協力する方法やユーザーを支援する方法を模索していた。オープンソースソフトウェアの改善は、資源をつぎ込むのにふさわしい部分だ」(DiBona)

Googleが利用しているオープンソース技術

 Googleは、同社のデータセンターで検索処理に使われている技術について、具体的な事柄を明かさないことで有名だ。このデータセンターは、8月だけで3億8000万人からのリクエストを処理した。しかし今回、DiBonaはその詳細の一部を明らかにした。

 同氏によると、Googleは主力サービスの検索用サーバをLinux OSで動かしているという。同社のLinuxコアは、Red HatやNovellのSUSE Linuxといったベンダーの提供するものではなく、Linux開発リーダーのLinus Torvaldsが「kernel.org」ウェブサイトで定期的に公開するバージョンを元にしたものだ。

 DiBonaによると、Googleはプログラミング言語の「Python」やデータベースの「MySQL」などのオープンソース技術を利用しているという。さらに、Googleの「Blogger」サイトはApacheウェブサーバソフトウェアで動いており、サーバ上にあるJavaプログラムを動かすのにTomcatを使っている。

 Googleでは、既存のほぼすべてのオープンソースプログラムのコンパイルに使われる「GCC」ソフトウェアも幅広く利用されている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連キーワード
ビジネスアプリケーション

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
ハードから読み解くITトレンド放談
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
研究現場から見たAI
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
内製化とユーザー体験の関係
米ZDNet編集長Larryの独り言
今週の明言
「プロジェクトマネジメント」の解き方
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
Fintechの正体
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
情報通信技術の新しい使い方
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
通信のゆくえを追う
セキュリティ
企業セキュリティの歩き方
サイバーセキュリティ未来考
セキュリティの論点
ネットワークセキュリティ
スペシャル
Gartner Symposium
企業決算
ソフトウェア開発パラダイムの進化
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
CSIRT座談会--バンダイナムコや大成建設、DeNAに聞く
創造的破壊を--次世代SIer座談会
「SD-WAN」の現在
展望2017
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
さとうなおきの「週刊Azureなう」
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
中国ビジネス四方山話
より賢く活用するためのOSS最新動向
「Windows 10」法人導入の手引き
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
実践ビッグデータ
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化