YRPユビキタス・ネットワーキング研究所と沖電気工業は2月9日、国土交通省が推進する自律移動支援プロジェクトの一環となる「ユビキタス空港情報提供サービス」の実証実験を、2006年3月中旬に神戸空港にて実施することを発表した。実証実験に先駆け、2006年2月12日に行われる神戸空港開港記念式典の内覧会場(神戸空港ターミナルビル)において同サービスのデモンストレーションも実施される。
この実証実験は、ユビキタス空港を目指し、国土交通省と神戸市が、神戸空港ターミナルおよび航空会社、テナントなどの協力で実施するもの。神戸空港ターミナル内に約1200個のRFID、約30個の電波や短距離無線通信に適し位置情報も把握できる「ZigBee」アクセスポイントを設置し、利用者に貸し出す「ユビキタス・コミュニケータ」と無線で接続する。
端末には携帯端末用「ZigBeeSDカード」を搭載し、場所の固有番号である「ucode(ユーコード)」に応じて、情報管理サーバから必要なサービス内容を取り出すことで、さまざまな情報のやり取りを可能にする。情報管理サーバでは、ucodeに対応した飛行機の出発時間、便名、搭乗ゲート番号などの情報を提供。ユビキタス・コミュニケータや「街角情報ステーション」を通じて利用者にあった情報サービスを提供できる。
同サービスでは、航空機を利用する旅客はもちろん空港施設の利用者や観光に訪れる障がい者、高齢者、観光客、外国人、ビジネスマンなどが誰でも容易に使いこなせるユニバーサルデザインを採用。案内は、図、字幕、音声により提供されるが、耳の不自由な方向けに、手話の映像断片を案内にあわせて結合することで手話映像を合成するシステムによる緊急情報通知サービスのデモンストレーションも実施される。